斉藤鉄夫国土交通相は16日、閣議後の記者会見でダイハツ工業の認証試験不正問題について言及。3つの車種で特に悪質な不正行為が確認されたとして、「型式指定の取り消しに向け手続きを開始した」と明らかにした。
取り消しを受けたのはダイハツ「グランマックス」、トヨタ「タウンエース」、マツダ「ボンゴ」の3車種。国土交通省は16日夕方にも、ダイハツに対し抜本的な改革を求めるとして、道路運送車両法に基づく是正命令を出す。
3車種はいずれも商用車として主に会社や商店の荷物の運搬などに利用されることが多く、早くもユーザーからは懸念する声が上がっている。
自動車ライターが語る。
「型式指定を取り消されても、すでに販売済みの車両はそのまま乗っても問題はありません。車検は通るのかとか、下取り価格が下がる等の不安を抱くユーザーがいるかもしれませんが、こちらもほとんど影響はないと思われます。ただ、型式指定を再取得するためには2ヵ月程度はかかるため、メーカーとしては大打撃でしょう。現在、軽トラックと1.5トン、2トンの間の比較的コンパクトな商用車は、タウンエースやボンゴなどに限られるため、営業車両として導入を検討している会社も影響を受けるでしょうね」
最近はタウンエースをベースにしたキャンピングカーも販売されており、商用に限らず用途が広がっている。中にはキャンピングカー人気ランキングで、6ヵ月連続で1位になっているカスタムカーもあるが、自慢のキャンピングカーが型式認定を取り消されたとあっては、購入者はショックが大きいのではないか。
国交省は今後もダイハツの全ての車種が安全基準を満たしているかどうか確認試験を行うというが、さらに型式認定を取り消される車種が出てくる可能性もある。ダイハツ車オーナーにとっては落ち着かない日々が続くことになりそうだ。
（ケン高田）
