2024年正月三が日のテレビCMが異例の事態になりそうだ。
株式会社ビデオリサーチの調べによると、2023年1月1日~3日の間に関東地区でオンエアされた「企業別テレビCM秒数トップ3」は、「興和」が4年連続で最多。2位は「ダイハツ工業」、3位は「Cygames」だった。
注目すべきは、国内軽自動車新車販売シェアNO.1を17年連続獲得してきたダイハツだ。ダイハツは22年も3位にランクインしており、23年は出稿本数317本、時間にして4755秒ものCMを流している。ところが今年12月20日、国内で生産・開発している全28車種の安全性に関する認証試験で不正が確認されたと発表し、世間を大いに騒がせた。不正を受け、25日までに完成車を製造する滋賀工場、京都工場、子会社ダイハツ九州の大分工場の稼働を停止し、新車全車種の販売もとりやめている。
ダイハツは12月22日にCM放送の自粛を当面続ける方針を明らかにしているが、正月のCMはどうなるのだろうか。
広告代理店関係者が語る。
「ダイハツは毎年正月に大量のCMを出稿しており、消費者に自車をアピールしていました。『初売り』のCMを見てディーラーに足を運んだ人も多いでしょうね。2024年はこれらが一斉に姿を消すことになりそうです。スポット的に他社のCMが入ることはあるかもしれませんが、さすがに今からでは300本分を補うことは無理でしょう。残りは“ACジャパン”のCMに差し替えられるのでは?」
テレビ局にしてみれば大きな打撃のようにも思えるが、実際はACジャパンから広告料が支払われ、その分はダイハツが負担するという。
2024年のCM秒数トップ3は大きく様変わりしそうだ。
(ケン高田)