夢グループ石田社長が激白!12万枚マスクを寄付した埼玉県からマスク広告で措置命令が…「最高裁まで闘いました」

 2024年1月1日、能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。今回被災された石川県はもちろん、被害が甚大である輪島市や珠洲市は、通信販売や弊社のコンサート公演で大変お世話になったこともあり、せめてもの恩返しの気持ちとして100万円を寄付させていただきました。また、9日の「夢スター春・秋」をはじめ、今後のコンサート全会場におきまして義援金を募り、石川県庁へ継続した寄付を行ってまいります。本当に1日も早く、皆様の生活やお気持ちが少しでも穏やかになられますことを祈っております。

 今回の災害を受けて、数年前のマスク騒動を思い出しました。新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時、日本中からマスクが品切れとなったのはご存じの通りです。幸いにも僕にはかつてシルク製品を作っていた時代の友人が中国にいて、当時のシルク工場をマスク工場に切り替えたので優先的にマスクを送ってくれるという話が舞い込んできました。恩返しをしたいと言ってくれたんです。

 といっても、その当時のマスクは1枚70円ぐらいかかります。本来、1枚1~2円のものがすべての材料費が高騰してしまい、跳ね上がっちゃったんです。仮に1万枚作っても70万円。10万枚で700万円。とてもじゃないけど僕には前金で渡す余裕がないと告げました。すると、「社長には世話になったから10億円分までは後払いでいいよ」と言うんです。そこで僕はこう思いました。

「よし! そう言ってくれるなら、まずは新型コロナウイルスで延期や中止となったコンサート会場のある町にマスクを届けよう」

 5000~1万枚単位で約50の市町村に寄付しました。なんせ仕入れ値が高いので、それをいきなり売って利益をあげるというのは神様からバチが当たるような、そんな気もしたんです。ですから、まずはいつもお世話になっているところへ。日本全国の新聞社にはたくさんのマスクを寄付し、さらに東京、埼玉、神奈川、千葉の県庁には各12万枚ずつ寄付いたしました。ありがたいことに感謝状まで送って下さった役所もありました。

 といっても、販売をせずに寄付ばかりしていたら中国の友人に10億円はお返しできないので、一般販売もいたしました。で、売り始めたらものすごく売れるわけです。僕のなかではマスクで利益をあげるだけじゃなく、同時に地方や4都県への寄付で貢献もしなければならないという認識で自分を納得させるバランスを取っていました。

 そんな矢先、埼玉県から呼び出しがあったんです。てっきり、お礼でも言われるものかと思ったら、「あなたの会社はマスク販売の広告に30枚・3600円と書いてある。送料と消費税が大きく書かれていないのでお客様が誤解するような広告になるから措置命令を出します」って、いきなり言われちゃったんです。「ちょっと待って下さいよ! 送料や消費税はちゃんと申し込み要項に大きく書いてあるじゃないですか」と言っても断固として担当者は聞いてくれません。ちなみにマスクの品質にはまったく問題はなく、広告がダメだという話です。

 責任者の女性に僕、言われましたもん。「社長様には非常にお気の毒ですが、同じような広告でマスクを販売している会社もあるけれど、社会的な影響を及ぼすほど有名になられた方ですから、夢グループに措置命令を出しました…」と。「お気の毒」なんて言葉は言ってほしくありませんでした。

 結局、この騒動は最高裁までいって敗訴しました。それでどうなったか? これまで販売した全てのマスクの売上金の3%を罰金として支払うことになりました。埼玉県だけではなく全国で販売した全体の3%ですから、総額にしたら億に近い金額になります。これを支払わなければ差し押さえになりますから、もちろん支払います。日本で生活をして日本で会社を持っている以上は、制度、ルールに従うしかないですからね。振り返ってみて、あの時マスクを販売しなければ良かったのか、と考えもしましたが、何十万人ものお客様に喜んでいただいたのですから答えは「○」。良かったと思っています。

 なんとも悲しかったのは、12万枚も寄付したマスクが埼玉県ではたったの1枚も配布されていなかったということ。その時は「配るにも人員が必要でお金と時間がありません」と言われたんですが、だったら最初になんで受け取ったのか? 実は、措置命令を下そうと思っている折に、それを知らない別の職員がマスクの寄付を受け入れたらしいのです。だから1枚も配れなかった、と。呆れちゃいました。だったらマスクを必要としている他の地方自治体に寄付すれば良かったなと思いましたよ。

 届ける前に「寄付しても良いですか?」とキチンと県庁に許可をもらって届けたのに、最後には「夢グループのマスクだからいらない」だなんて。無責任にも程がありますよね。いったい県庁ってどんな機関なんですかね? 埼玉県民の方たちが心配です。

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。今年8月30日に第2弾シングル「やすくして♡」を発売、ネット上でも話題に。

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