ラグビーW杯を「100倍楽しむ」入門講座(2)「3つの反則」を押さえる

 超基本は押さえたところで、さらに得点方法についても知っておく必要があるだろう。玉木氏が続ける。

「地面にワンバウンドさせたボールをキックし、ボールがゴールポストの間でクロスバーの上を越えると3点が入ります。以前、得点方法はキックだけしかありませんでしたが後年、トライ(相手陣ゴールライン上またはその後方の地面にボールを接地させる)が採用された。これは5点。そのあとに与えられるコンバージョンキック(トライをした位置の延長線上からゴールポストにボールを蹴る)でクロスバーを越えると2点と覚えておけばいいでしょう」

 ボールを自チームで展開しながらゴールを目指すラグビー。しかし、相手チームも黙っていない。激しいタックルやスクラムなどでボールを奪取しようとする。中でもスクラムやラインアウト後の攻防は、ラグビーの花形プレーの一つだ。

「スクラムは選手による反則行為後に、プレーを再開させる方法の一つ。選手が密集してボールが出ない場合にもとられます。一方のラインアウトは、ボールがフィールドの外に出た(タッチ)あと、2列に並んだ両プレーヤーの間にボールを投入することによって、試合を再開すること。ここでうまくボールを取れれば、さらに陣地を稼げるので、得点チャンスにもつなげやすい。ちなみに昔はラインのギリギリまで観客がいたので、外に出たボールを観客が投げ入れていたのが、このルールの由来なんですよ」

 さらに、ボールを奪い合って双方が揉み合うケースもある。その場合、選手が立っている状態を「モール」、倒れている場合を「ラック」と呼び、このプレーを起点として、ボールを奪った側が、試合を展開させることも多いので、見逃せないポイントと言えよう。

「この応用で、ラインアウトからモールの状態に持って行き、一気にトライを狙うといった戦術にもつながります」(玉木氏)

 反則についても最低限押さえておきたい。

「よく解説などでも耳にする『ノックオン』は、前方にボールを落とす行為。前方の選手にパスを出してしまう『スローフォワード』ももちろん反則です。この場合、相手チームのスクラムから始まります。そして、ボールより選手が前に出たら、『オフサイド』となります。あと、ボールを持っている人以外へのタックルも反則です。ここが、アメフトとは違うところですね。とまあ、この辺のルールだけ理解しておけば、ラグビーをシンプルに楽しめるのではないでしょうか」(玉木氏)

 耳学問はここまで。あとは実践あるのみだ。

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