「国民の信頼回復のために、“火の玉”となって自民党の先頭に立ち、取り組んでまいります」
12月13日、官邸の記者会見で岸田総理はこう述べた。翌14日には政治資金パーティーの裏金が発覚した閣僚4人を交代させるなど、スキャンダルの火消しに追われている。
同14日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日)は、休みを取っている大下容子アナ(53)にかわって、島本真衣アナ(40)が担当。代役MCの進行で、いち早く新閣僚となった4人を紹介した。解説員の政治部の澤井尚子記者は全体的に「無難な人選」と評し、内閣官房長官に“岸田派のエース”林芳正氏を起用した点に触れて、その人柄を「とても穏やかな方で、答弁は取材して、面白くないくらい安定した方です」と伝えていた。
その後、島本アナから「何か裏の事情があったら…」と話を振られた澤井記者は、「閣僚経験者には『今、ドロ舟に乗ることはできない』とおっしゃる方もいたりして」と入閣の不人気を指摘して、「岸田政権に加わることはマイナス」「人選はかなり難航したと聞いています」とまとめた。
番組は大下アナの不在を感じさせないほどスムーズに進行していたのだが、澤井記者のこんなコメントでスタジオの空気が変わる。
「岸田さんとして、自民党の体質を一新すべく、先頭に立つ、と。『火だるまになる』というふうに、昨日の会見でも言ったんですけども」
すかさず他の出演者から「火の玉」「火の玉ですね」と訂正が入り、スタジオが笑いに包まれる中、澤井記者は「具体策だったり、いつまでに明らかにする、という時期だったりを示せていないんですね」と締めくくった。
この火だるま発言にSNSでは《火だるま…火の玉ですのやり取り最高》《不謹慎だけど面白い》《澤井さんよく言った!》《炎上しているし火だるまは事実》《総理は火だるま、国民は火の車》などと失言に便乗するようなコメントが殺到していた。
「11日の月曜日から大下容子アナがお休みを取っていて、月曜から水曜までは久保田直子アナ(42)が、そして木曜日には島本アナが代役を務めました。大下アナは役員待遇のエグゼクティブアナウンサー。将来の取締役候補と言われているだけに、大下アナ不在のスタジオはどこか空気が緩んでいたような印象。いい意味で、出演者の肩の力が抜けていたように見えます。実際、“火だるま発言”も好意的に受け取られていましたし、しばらく大下アナ不在の『ワイド!スクランブル』を見てみたい気もします」(メディア誌ライター)
内閣支持率はついに2割を切った。新閣僚人事で火だるま状態からの脱却なるか。