「秘書給与3人分では絶対無理」小林鷹之氏に失望の声「変わる気ゼロ」

「当選4回、普通のサラリーマン家庭で育った私が、派閥に関係なく、この場にこうして立っている。その事実こそが自民党が本気で変わろうとする象徴になると考えます」

 8月19日に行われた会見で、こう力強く述べて9月の総裁選への出馬を表明した小林鷹之前経済安全保障相。「自民党は生まれ変わる」をキャッチフレーズに存在感を示し、翌20日にテレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」に出演。そこで発した“政治とカネ”にまつわる発言に、《生まれ変わる気ないでしょ》《変わる気ゼロだな》と視聴者からツッコミが殺到する事態となった。

 スタジオでは番組MCの大下容子アナウンサーが、政治とカネの問題について「選挙にお金がかかるということなのかな、と思いまして、その地盤・看板・カバンのない人でも政治家を志せるようにするには、選挙にお金がかからないようにするほうがいいのでは」と意見を求めると、小林氏は「そもそも、選挙というか、私の感覚ではふだんの政治活動にお金が、必要経費がかかる」と否定。「国会議員の活動というのは、国会での政策を含めた活動と地元での活動と両方あるわけですよね」と前置きして、こう続けた。

「公設秘書ということで3人分の秘書の給与が払われていますけど、たとえば、3人支払われます。国会に1人、地元に2人。『それでまわしてください』と言われると、国会の私の政策秘書は私の政策のサポートもしますし、日程管理もする。あるいは議員連盟をやっていて、いろんな調整がある。あるいは車の運転、もろもろ1人でやらなきゃいけなくなる。それは絶対、無理です。まわらないです。そうすると、私設で秘書を雇わなければいけない。あるいは賃料がかかる。チラシを配る時に印刷代がかかる。そうすると必要経費がかかると思うんです」

 公設秘書3人で政治活動を行うことに「絶対無理」と断言し、政治に金がかかると主張した小林氏にはネット上で落胆の声が相次ぐことになった。

「政治活動にお金がかかるという主張は、自民党議員のお決まりのフレーズで、その理由に挙げるのが人件費。多くの国会議員が地元に秘書を置いて、あいさつ回りをさせて票を固めているのが現状。また、8月15日に議員辞職した広瀬めぐみ元参議院議員は、勤務実態のない公設秘書の給与を事務所の経費にまわしていたといいますからね。それでも『秘書が足りない』『お金がかかる』と主張した小林氏が『変わる気ゼロ』と指摘を受けても仕方ないかもしれません」(メディア誌ライター)

 ネットの反応を見る限り、自民党が生まれ変わることよりも、下野することを多くの国民が望んでいるようだ。

(福島シゲル)

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