山川穂高がいなくなることを想定しての補強なのだろうか。西武ライオンズが新たにスペイン語の通訳を雇ったという。この情報に重なってくるのが、新助っ人の獲得情報だ。
ヤンキースからFAとなったフランキー・コルデロ外野手を調査中--。一部メディアがそう報じていたが、「スペイン語の通訳を雇った」ということは、コルデロ獲得は時間の問題。仮に他の選手だとしても、中南米系のパワーヒッターに照準を合わせたと見ていいだろう。
「コルデロは左の大砲タイプです。メジャー通算の出場試合数は251、でも、打球速度は最速118.6マイル(約191キロ)。95マイル以上のハードヒット率は44%で、MLB平均が36%台なので、パワー系のスラッガーです」(米国人ライター)
今季、西武に在籍した主な外国人野手はマキノン、ペイトン。どちらかといえば、好球必打の中距離タイプだった。近年、西武の外国人選手はパワーよりも確実性を重視する選択をしてきた。コルデロの特徴を聞くと、明らかに方向転換である。
「今季4番も務めた渡部健人、チーム最多本塁打数の中村剛也、残留交渉中のマキノン(12月1日時点)が右打ちです。打線の流れからも左の長距離タイプが入ると、バランスが良くなります。西武の渉外担当は左打ちに照準を絞っているとも聞いています」(スポーツ紙記者)
FA権を行使した山川穂高について、西武は“いなくなること”を前提にオフの補強を進めているようだ。
「マキノンは契約保留選手名簿から外れてしまいましたが、残留交渉を続けています。金銭面で折り合いがついていないようです」(前出・同)
山川の推定年俸は2億7000万円。Aランク選手なので、FA移籍が成立すれば、人的補償の権利を行使しても「2億7000万円の50%」が得られる。マキノンがどれだけの昇給を望んでいるのかは不明だが、今季の推定年俸は9000万円だった。山川のFA移籍後に得られる50%で、マキノンの残留問題も“解決”できそうだ。
西武は新しいチームに変貌しつつある。
(飯山満/スポーツライター)