北朝鮮が増長すれば、至近距離にある韓国はもちろん、日本、アメリカまでもが、対岸の火事ではいられなくなる。
「コリア・レポート」編集長の辺真一氏が語る。
「ハマスがイスラエルを襲撃した10月7日直後、韓国は北朝鮮の脅威一色に包まれました。もし、北朝鮮が韓国に攻め込んで来るとすれば、急襲でいつ来るかわからない。ハマスのイスラエル襲撃は、その急襲作戦のよい手本を北朝鮮に示したように映るからです。その不穏な空気は、1カ月経った今でも変わっていないのです」
さらに、このタイミングで、北朝鮮は新型の中距離弾道ミサイルに使用する固体燃料式エンジンの開発に成功したことを発表。松野博一官房長官も「北朝鮮が奇襲的な攻撃能力を向上」と警戒を強めている。
「おそらく2週間後ぐらいに、北朝鮮が開発に成功した新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星4号か5号あたりを打ち上げる可能性があります。いずれにせよ、在日米軍はおろか、ハワイやアラスカをも射程に収めるミサイルなので、年内は日米韓の間で対北朝鮮の軍事的緊張が高まることになるでしょう。ひょっとすると、来年、再来年はいよいよドンパチに発展してもおかしくありません」(辺氏)
ウクライナ戦争は依然として膠着、中東での戦争も、イスラエルのネタニヤフ首相は「これはハマスとの最終決戦」と語るなど、まさに北朝鮮にとっては願ったりかなったりの様相を呈している。戦争特需で「肥え太るならず者」をいつまでものさばらせるわけにはいかない。