大使館閉鎖が続く「金欠」北朝鮮、友好国スウェーデンにも「ボルボ1000台分」代金踏み倒し中

 現在、159カ国と外交関係を結び、53の在外公館を持つ北朝鮮が、スペインや香港、アフリカなど12の大使館や総領事館を閉鎖する、と報じられたのは今月1日のことだ。報道を受け北朝鮮は3日、一部大使館の閉鎖を認め「外交能力を効率的に再配置するため」と、その理由を説明した。

「韓国当局では、国際的制裁を受ける北朝鮮の財政難が年々悪化し、もはや在外公館を維持できなくなっているため、今後、在外公館の25%を閉鎖するのではないか、と分析しています。大使館が閉鎖されれば、北朝鮮の孤立化はさらに進むことになるでしょうね」(北朝鮮ウォッチャー)

 そんな中、俄然注目されるのが、これまで親交を深めてきた在スウェーデン北朝鮮大使館の扱いである。

「スウェーデンは1973年に北朝鮮と外交関係を結び、その2年後に平壌に大使館を設置。ストックホルムにも、北朝鮮大使館が設置されました。欧州諸国の中でも独自のスタンスを貫いており、秘密主義の北朝鮮に西側諸国が警戒する中、スウェーデンは中立的立場で北朝鮮と付き合ってきた。北朝鮮もスウェーデンに対しては友好的で、北朝鮮において西側の国民にトラブルが発生した場合には、スウェーデンが水面下で交渉をするなどして仲介してきたのです。そのため、相次ぐ北朝鮮の在外公館閉鎖の波が、いつストックホルムの北朝鮮大使館に及ぶのかと注視されているのです」(同)

 というのも、北朝鮮がスウェーデンと国交を結んだ1970年代にスウェーデンから高級車ボルボを1000台購入したのだが、いまだその代金が支払われてないからだ。
 
「購入代金は当初6億クローナ(約85億円)でしたが、支払い遅延により現在では利子を含め28億クローナ(380億円)にまで膨れ上がっているのだとか。これは、13日に政府機関・スウェーデン輸出信用債権庁がボイス・オブ・アメリカ(VOA)の質問に対し明らかにしたものですが、スウェーデン側は75年から代金を払うように定期的に働きかけているものの、償還されずに負債が膨らんでいるとコメントしています。VOAによれば、北朝鮮はスウェーデンのほか、ポーランドやハンガリー、スイスなど多くの国で、30年以上も償還していない負債があるといいます。最初から払う気がなかったのか、途中で払えなくなったのかはわかりませんが、北朝鮮が借金まみれであることだけは間違いなさそうです」(同)

 武器弾薬の密輸はしても、輸入した料金は踏み倒し…北朝鮮から「ならず者国家」という不名誉なレッテルがはがされる日は遠いようだ。

(灯倫太郎)

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