岸田自民には任せられない「日本保守党」大研究(3)バイデン政権と公明党の圧力

 実際に日本保守党を支持する人はどのような思いを抱いているのか。10月17日、都内で開かれた結成記念パーティーに参加した福井県立大学・島田洋一名誉教授が言う。

「私も支持のきっかけは、LGBT法。自民党内でも明確に反対の声が上がったのに、米・バイデン政権と公明党の圧力に迎合する形で通してしまった。しかも安倍元総理が後継者と見込んでいた萩生田光一政調会長や、高市早苗(経済安全保障担当)大臣は抵抗する素振りも見せない。個人的には自民党を見限る契機にもなりましたが、このとんでもない法案に誰も声を上げない。『将来世代にも父祖の世代にも顔向けができない』と考えていました。百田さんが立ち上がった時は『よくやってくれたな』という思いでした」

 百田代表は「LGBT法は天下の悪法」と断じるが、島田氏も有識者として法案への反対意思を表明していた。パーティーには、同じ思いを抱く党員が多くいた、という。

「参加者の多くは40〜50代の落ち着いた男女で、怪しい活動家のようなタイプの人はいませんでした。ただ、日本保守党への熱い期待を皆さん話しておられた。多かったのは、喫緊の選挙への期待でしたね」(島田氏)

 これまで百田代表らは、自身の立候補も含め準備が必要、と慎重な姿勢を見せていたが、

「例えばLGBT法案を特に推進していた稲田朋美議員の福井1区や、新藤義孝(経済再生担当)大臣のお膝元である埼玉2区。こうした特定の選挙区に限定してでも対立候補を立ててほしい、という声が多く聞こえてきました」(島田氏)

 稲田議員はかつて安倍元総理の秘蔵っ子と言われ、新藤大臣も保守系議員として知られた存在。つまり、「エセ保守議員を打倒する目玉候補をぶつけてくれ!」という強い要望が寄せられたという。

「党費も寄付金も想定以上に集まっている状況と聞いています。百田さんも11月1日にYouTubeで候補者の公募を発表しましたし、非常に期待しています」(島田氏)

 島田氏は専門である国際政治学の分野で、外交政策などにおいて今後の協力を要請されているそうだ。理念を掲げ徒手空拳で走り出した日本保守党は、今まさに、政党としての肉づけを行なっているのだろう。

(つづく)

*「週刊アサヒ芸能」11月16日号掲載

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