岸田自民には任せられない「日本保守党」大研究(2)根本にある「日本という国への肯定感」

 日本保守党では現時点で唯一の現役議員である、荒川区・小坂英二区議会議員はこう語る。

「一緒に声を上げ、行動に移してくれる人がいるであろうことは、日ごろの政治活動の中で確信していました。それだけ、今の自民党政権にうんざりしている人が多いのだと思います」

 小坂区議は03年に荒川区議に初当選した地方議員20年のベテラン。朝鮮学校の補助金問題や、外国人激増による弊害、政治家の家業化などについて、地方議員の立場から問題提起し、12年には尖閣諸島にも上陸した。長く無所属の立場を貫いてきたが、10年来の知己があった有本事務総長らとともに、党を立ち上げるに至ったという。

「政党助成金目当てで議員数を増やすようなことはしない方針は前もって話していました。私欲のためではなく、政治理念の実現のために立ち上がり、同じ思いを持つ党員を増やすことを基本とし、これまで現れては消えていった保守系の小政党とは異なる党運営を行うことにしました」(小坂区議)

 日本保守党がLGBT理解増進法への反対姿勢を打ち出していたことも、加入を後押しした。

「私はLGBTの方たちの存在を尊重しつつも、『同性婚を認める』『小学校でLGBTの概念を教える』という、社会のあるべき姿を曲げかねない現行のLGBT法の方向性に反対の立場。加えて、在日特権やクルド人問題に代表される移民問題の政策の是正、という点においても百田さんや有本さんとはその認識、方向性が一致していました」(小坂区議)

 特にこのLGBT法と移民問題に関しては、テレビやYouTubeで百田代表や有本氏が「普通のこと」と前置きして持論を展開するものの、極論扱いされることも少なくなかった。ただ、主張の正当性はさておき、多くの国民が疑問や違和感を抱いているテーマであることは間違いなく、これからも議論が尽くされるべきなのは確かだ。小坂区議が続ける。

「結党パーティーで発表した37の重点政策項目について、党内で一言一句がすべて一致しているわけではありません。さらなる議論と深化が可能と考えますが、政治活動の根本にある『日本という国への肯定感』と政策の方向性は全員一致している。先人や歴史への敬意を持ち続けるのが日本保守党という政党です。今後も、この理念に共感できる議員をしっかり輩出していきたい。今はその基盤を固めているところです」

(つづく)

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