チケット1万円超えが物議の東京ディズニー、過去最高益見通しで続出する痛切な声とは

 東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは10月30日、2024年3月期第2四半期(4月〜9月)の連結業績を発表し、同期としては純利益が過去最高を記録したことが明らかとなった。同施設では10月1日より値上げを実施し、最高価格が1万円を超えたことから批判の声も少なくなく、キャストへの還元を求める声もあがっている。

 同社によると、同期の純利益は545億円となり、前年同期から倍増。開園40周年イベントで入場者数が増えたことやインバウンドの回復、記念グッズの販売などによって1人あたりの売上高が過去最高を記録したことが要因とみられている。これに伴い、24年3月期通期の業績予想も上方修正し、純利益は約30%増の1051億円となり、過去最高となる見通しとなった。

 10月1日より東京ディズニーリゾートでは値上げが実施されたばかりだったため、今回の好業績に対してネット上では《値上げは本当に必要だったのか?》と疑問の声も寄せられている。また、コロナ禍に同施設で働く非正規従業員たちから生活の困窮を訴える声が報道されたこともあって、《値下げできないなら、せめてキャストに還元してあげて》といった痛切な声も数多く見られた。

「東京ディズニーリゾートでは約2万人のスタッフが働いていますが、このうち8割近くが非正規の準社員なのです。コロナ禍の休業時は非正規雇用の従業員には休業手当として給与の6割しか支払われず、月の収入が数万円にまで落ち込むスタッフが相次ぎました。ここまで同施設が純利益を伸ばせたのはスタッフたちの努力によるところもありますし、またこれから施設がさらに良くなっていくためにもスタッフの幸福度は重要になってきますからね」(フリージャーナリスト)

 ぜひとも非正規の従業員にも還元してあげてほしいところだ。

(小林洋三)

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