猛暑に見舞われた今年の夏も、お盆も過ぎればひと段落。まだまだ残暑は続くものの、秋の気配が少しずつ漂い始めた。
コロナ第7波もピークアウトすれば、となると今度は行楽の秋だ。今年のシルバーウイークは9月19日の敬老の日と23日の秋分の日の間の平日に休暇を取れば、最大9連休も可能。東京では都民割が9月に再開するし、いよいよ本格的にレジャーに旅行にと出かけたくなるが、値上げの波はここにも及んでいる。
「大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)では、既に8月から年間パスが2万6800円から2万8800円(子供1万7800円から1万9200円)に引き上げられましたが、10月からは価格変動制で8400〜9400円だった1デイ・パスに新たに最高価格として9800円(子供6500円)が追加されます。もちろん値上げの波による影響ですが、10月はハロウィーンで年間でも一番賑わう時期なので、繁閑でのバランス調整ということもあるのでしょう」(経済ジャーナリスト)
西でUSJの値上げとなれば、東の東京ディズニーリゾート(TDR)はどうか。こちらは先の話だが、21年10月に価格改定が行われているためすぐの値上げはないが、新エリアの「ファンタジースプリングス」がオープンする23年度をメドに7900〜9400円の上限を見直すとされている。
やはり10月には、沖縄の美ら海水族館と大阪のカップヌードルミュージアムのアトラクションが値上げされる。水族館では大人が1880円から2180円に、年間パスも3670円から4360円に値上げされる。ミュージアムは、チキンラーメンファクトリーが中学生以上800円が1000円になる。
「岡山の池田動物園は、もとは岡山藩主の子孫が創設したという経緯があって市民から愛されてきたので、これまでも苦しい経営の中、88年から34年間値上げをしてきませんでしたが、とうとう9月から70〜420円の幅で値上げに踏み切ることになっています。特に水族館や動物園は生き物を扱うので、エサ代が高騰。加えて酷暑での電気代が大きな負担となり、群馬サファリパークや鳥羽水族館などでは6月から値上げが実施されていました」(同)
日常を離れて楽しむはずのレジャー先までも値上げというのだから何とも世知辛い話ではあるが、世界的な出来事ゆえに逃れる術はない。またもしばらくはガマンを強いられそうだ。
(猫間滋)