夢グループ石田社長が激白!中国のデパートと業務提携も「現地従業員が全く働かない」驚きの理由とは

 中国・天津にある国際デパートの商品を個人輸入して初めて通販事業に乗り出したところ、次々と注文が殺到。だいたい20万部の折込みチラシを配付すると、注文が800件ほど入りました。

「やった〜! これは金持ちになれるぞ」と、意気揚々と電話の受付注文に追われておりました。

 ところがです。待てど暮らせど肝心の商品が中国から送られてこない。ある程度、商品が売れることを確認した時点で僕はデパートと契約を結んでいました。デパートに勤務する女性店員7人を僕専任の社員として雇い入れていたのです。

 注文が入ると日本から、デパート内に借りた10坪ほどのオフィスにFAXを送ります。最初は100件ほどの注文からスタートしました。当然、7人の従業員が現地で一生懸命、商品を箱詰めして送ってくれるはず……だったんです。

 ところが、3日たっても4日たっても商品は届きません。業を煮やした僕が天津のデパートへ行ってみると、7人の従業員はちゃんとオフィスに来ていました。

 でも、仕事をするわけでもなく、ダラダラといつまでもお茶を飲んでおしゃべりばかり。2時間たっても一向に箱詰めをする様子がありません。通訳の男性に「どうしてお茶ばかり飲んで仕事をしないんだ?」と聞くと、「中国では1週間に1回しか海外向けの郵便物が送れないんです」と言います。

 それにしたって、発注してもう1週間もたっているのに、ほとんど梱包できていない状態です。1つの商品を梱包する作業はせいぜい5分もあればできるのに……呆れた僕はとりあえず自分で作業を始めました。商品をパッキンしてローマ字で住所を書いて梱包していきます。みるみるうちに梱包した商品が山積みになりました。

 それでも、7人の女性従業員たちはお茶を飲んで手伝う素振りすら見せません。

「僕は彼女たちに給料を支払っているのだから、ある程度は働いてもらわないと困るよ。最低でも1時間で6個は作れるよね。8時間勤務内に1人48個は作れるじゃないか」と通訳に言うと、なんとこう言うんです。

「石田社長、1人の従業員で1個が限度です。それ以上やると、賄賂をもらっていると思われてしまうから、みんな働かないんです」

 これには腰が抜けるほど驚きました。それが当時の中国の実情でした。

 こうなったらもう仕方がありません。自分で梱包作業をしました。800個の注文の商品を作って、今度は郵便局へ持って行きます。

「車は用意できるのかな」

 再び通訳に聞くと、彼は首を横に振って言いました。
 
「車は3台ありますが、1台は社長用。2台目はVIP専用、3台目はトラックです。石田社長にはこちらをお貸ししますから、使って下さい」そう言って満面の笑みで持って来たのが後ろにリヤカーが付いた自転車。

 このリヤカーに商品を山ほど積んで4往復しましたよ。もうクタクタ。結局、バカバカしくなってこの天津のデパートとの仕事は1年ほどで辞めました。

石田重廣(いしだ・しげひろ)株式会社夢グループ、株式会社ユーコー代表取締役社長。1958年7月1日生まれ、福島県出身。自ら出演する「夢グループ」のテレビショッピングで大人気。昨年、保科有里とのデュエット曲「夢と…未来へ」で歌手デビュー。今年8月30日に第2弾シングル「やすくして♡」を発売、ネット上でも話題に。

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