米カリフォルニア州など42の州と特別区の司法長官は24日、インスタグラムが若者のメンタルヘルスの危機を助長しているとして、メタ・プラットホームズを提訴した。SNSはメンタルに悪影響を及ぼすとよく言われるが、子どもたちにはやらせない方がいいのだろうか?
「カリフォルニア州の連邦裁判所に提出された訴状によると、メタ社は若者たちを欺いてデータを収集し、利益のために若者たちを操っていると説明。さらに、中毒性の高い機能を使って若者たちの精神に悪影響を及ぼしているとして、消費者保護法に違反したと主張しました。メタ社はこれまで同様の訴訟を数多く起こされていますが、今回多くの州の司法長官から提訴されたしたこと対して『失望している』とコメントしています」(ITライター)
メタ社がこうした訴訟を多く抱えている原因は、2019年に旧Facebook社が自社のSNSを若者にとって有害であると知りながらサービスの提供を続けていたと元社員によって内部告発されたことに端を発する。その後、21年に米ウォールストリートジャーナルが入手した内部情報によると、自殺を考えた10代の若者のうち、イギリスでは13%が、アメリカでは6%がインスタグラムに原因があるという調査結果を社内で共有していたとされているのだ。
「こうした情報を聞くと、やはり子供たちにはSNSをやらせるべきではないと考えてしまいますが、ただアメリカ心理学会のレポートでは『SNSは若者にとって有益でも有害でもない』としています。また、米ハーバード大学公衆衛生大学院のメスフィン・ベカル氏によると、SNSはメンタルヘルスやウェルビーイング(幸福度)にポジティブな影響を与えるとの説もあるのです。つまり、SNSは決してネガティブな面ばかりではありませんが、ただ何事でも同じで、やり過ぎは良くないということなのでしょう」(フリージャーナリスト)
SNSは良い距離感を保ちながら楽しむのが一番だ。
(小林洋三)