自民党女性局長(当時)だった松川るい参議院議員、局長代理の今井絵理子参議院議員らが、研修の名目でフランスのパリを訪問したのは7月下旬のこと。エッフェル塔の前で撮影した写真をSNSでアップしたことから「観光旅行では?」「税金でパリ観光?」などと炎上。その後、子連れでの参加が発覚した松川議員は、局長の役職を辞任するまでに追い込まれた。
9月9日放送の「フジテレビ批評」(フジテレビ系)では「パリ視察で炎上 議員の海外視察に意義は?」というテーマのもと、スタジオに元衆議院議員の豊田真由子氏、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏を招いて議論が行われた。
争点となったのは、海外視察を終えた後の報告書だ。豊田氏は、2014年に行ったアメリカ視察の報告書を見せて、「詰め詰めのスケジュールでどういう方と会ってどういうことをしたっていうことが書いてあります」と説明。これを踏まえて、渡辺和洋アナウンサーが「この(パリの)視察も報告書が出るっていうことですよね?」と田﨑氏に尋ねると、「それが出てこないんですよ」と即答。田﨑氏はこう続けた。
「それね、問題となった時に『私たちはこういうことをやってきたんですよ。近くこういう報告書を出します』と言えば、こんなに批判されることはなかっただろうと思います。自民党の場合、帰国したら報告書を出すことになっているんです。幹事長に報告すればいいんですけれども、どういう内容を報告したかっていうのはぜんぜん公表されないんですよね。批判された時には『こういうことを私たちはやってるんですよ』と言い返せなかった。その弱さがあったんだろうと思います」
その後、松川議員について聞かれた田﨑氏は「やっぱり優秀な人だとは…元外務官僚で」「近く大臣になるんじゃないかと言われていた人です。しかし今回のことは手痛かったですね」とコメントしていたが…。
「研修から1カ月以上も経って、まだ報告書が出されていないことに驚きました。松川議員は“元”とはいえ女性局長の立場で参加したわけですから、せめて報告書は出すべきでは。もっとも、一部メディアが報じたところによれば、3泊5日の日程の中に、自由行動やナイトクルーズ、ショッピングなどの予定が組み込まれ、“実働6時間”だったそうですからね。その後、田﨑氏は松川議員を『優秀な人』と持ち上げていましたが、自民党議員の特権のようにも感じました」(メディア誌ライター)
松川るい議員が所属する参議院は、ホームぺージで議員たちの「海外派遣報告書」を公開しているが、該当するフランス研修の報告書は見当たらなかった。松川議員が過去を“清算”するのはいつの日か。