「エッフェル姉さん」擁護で赤信号/岸田「ハリボテ内閣改造リスト」をスッパ抜く(1)

 この男は立ち上がった─バイデン米大統領のおべんちゃらに満面の笑みで応じたまではヨシとしよう。だが内政では「マイナ保険証」「女性議員パリ視察」「現職議員汚職疑惑」など問題は山積みで支持率も下降するばかり。矢も楯もたまらず内閣改造で浮揚を図る構えだが、その残念すぎる「ハリボテ内閣」リストを先行公開する。

 政治評論家の鈴木哲夫氏がバッサリ斬り捨てる。

「9月に行われる内閣改造はズバリ〝内向き人事〟でしかありません。適材適所で人材を登用して内閣の刷新を図るどころか、岸田文雄総理(66)の頭の中は党内の派閥均衡により政権維持することでいっぱいなのです」

 岸田政権はもはや満身創痍である。国民総スカンの「マイナ保険証」に加え、7月には自民党女性局の〝観光パリ視察〟が大炎上。さらには、再エネ族議員の巨額賄賂疑惑、原発処理水の海洋放出に伴う風評被害‥‥、5月の広島G7サミットで一時は40%台まで回復させた内閣支持率も今や30%前半まで急落する崖っぷち。ジリ貧の岸田政権は9月中旬に内閣改造を断行、再スタートを図るというのだが‥‥。

 官邸キャップがその内情を打ち明ける。

「永田町内での最大の焦点は、茂木敏充幹事長(67)の処遇です。岸田総理にとっては〝ポスト岸田〟の筆頭である茂木幹事長は目の上のタンコブです。その上、公明党石井幹事長から『東京で自民候補を推薦しない』と絶縁宣言を叩きつけられるまで関係をこじれさせた原因を作った張本人で、是が非でも交代させたいのです」

 現在、両党は協議を重ね、再び選挙協力の方向を打ち出したものの、水面下では公明党幹部からは茂木幹事長の交代を突きつけられているというのだ。

 自民党ベテラン議員が語る。

「〝茂木下ろし〟は党内でも吹き荒れてるよ。次期総選挙に向け、福岡の選挙区では候補者擁立を巡って揉めているんだが、そこに『俺が一本化してやる』としゃしゃり出たのが茂木幹事長だ。さっそく地元党関係者から『茂木に関門海峡を渡らせるな』と猛反発を食っている。というのも、2年前の衆院選で大阪選挙区の自民党候補者が全敗したことが遠因になっている。現在、『打倒維新』のため、支部長を公募し、若手や女性議員などでイメージ刷新を図っている最中。その看板に据えたのが松川るい議員(52)、『エッフェル姉さん』だっただけに、茂木幹事長の任命責任が問われている」

 松川と言えば、7月に自民党女性局が行った「パリ視察」の際、エッフェル塔の前でポーズした写真をSNSに投稿し、「観光旅行か」と大炎上した御仁だ。

「東大卒、元外務官僚で上昇志向の強い松川は安倍派を離脱し茂木派へ、さらには参院から衆院への鞍替えも目論んでいた。そのため猫かわいがりしていた茂木幹事長は騒動の際に最後まで松川を庇っていた。ところが松川にはパリ視察に次女を同行させた以外にも別の疑惑がある。実は視察を最終日まで全うせず、一日早く切り上げている。そのため松川が別の親族を呼び寄せ家族旅行をしていたのではないかという疑惑が党内部で飛び交っている」(ベテラン議員)

 ついには茂木も匙を投げ、松川は女性局長を辞任。今回の女性登用での入閣も消滅したという。党内に不協和音を呼ぶ幹事長など前代未聞で、こうなったらもうバッサリ大ナタを振るうしかないはずだが‥‥。

「今、茂木幹事長を閣外に放てば来年の総裁選で岸田総理の最大のライバルとして先鋭化するおそれがある。なによりキングメーカーを気取る麻生太郎副総裁(82)は茂木の剛腕ぶりを高く評価し、更迭に猛反発している。政権を裏支えする重鎮に対し、岸田総理は正面切って歯向かうことができないのです」(官邸キャップ)

 あちらが立てばこちらが立たず。どうする岸田!

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