「東京は家賃が…」「今の給料じゃ都心で一人暮らしなんて絶対に無理」と、いつの頃からか社会人や大学生などの間でため息交じりにそんな会話が交わされるようになった。
事実、日本一の大都会・東京23区、とくに交通の便もよく繁華街に近い地域は賃貸住宅の家賃がめっちゃ高いという認識が全国民の間で共有されている。少し広いところに住もうものなら「家賃のために働いている」と皮肉を言われる人も少なくない。
ところが、日本人の意識に染みついた「東京の家賃は高すぎる」という認識が大間違いだったという現実が海外のデータサイトで発表されて衝撃を与えている。
NUMBEOというサイトが発表した、世界555の主要都市でワンルームを借りた際のひと月の賃貸料ランキングによれば、1位は米国のニューヨーク市の約3789ドル。最新の為替1ドル=約144円で計算すると、ひと月の家賃が日本円で約54万5600円。目の玉が飛び出るほどの額だ。
続けて、2位が都市国家シンガポールの約49万3200円、3位が米国のサンフランシスコ市の約47万1700円。やはり米国の主要都市が軒並み高いものの、米国以外でもチューリッヒ(スイス)、ロンドン(イギリス)、ダブリン(アイルランド)、シドニー(オーストラリア)が30万円超え、コペンハーゲン(デンマーク)、アムステルダム(オランダ)、パリ(フランス)、ベルリン(ドイツ)、ストックホルム(スウェーデン)など、先進国の首都やそれに準ずる商業都市のワンルーム家賃はほとんどが1400ドル以上、日本円で20万円以上となっているとか。ところが…。
「スウェーデンのストックホルムが約20万1000円でランキング101位なんですが、日本の東京はというと約969ドル、日本円にすると約14万円で何と202位なんです。部屋の広さは考慮されていませんから、ワンルームといってもまったく同じとは言えませんが、それにしても東京の賃貸料は世界の主要国でいえば中堅都市なみで決して高額ではなかったのです。とはいえ、日本の多くの独身生活者にワンルームで毎月14万円を支出できる余裕はありません。そんな現実とのギャップに驚きや失望の声があふれていましたね」(週刊誌ライター)
今回のランキングを目にしておもわずつぶやいてしまった人たちの声を拾うと、「14万円で安いなんてウソでしょ!」「東京の家賃が高いんじゃなくて家賃も払えないほど給料が安いだけだった」「ニューヨークの4分の1の家賃も払えない人が大半なんて…日本はもう発展途上国なんじゃない?」など、実は世界レベルでは家賃が安価だったことより、それでも高いと感じる自分たちの生活に失望する人がほとんど。
はっきり言って異次元の少子化対策どころか、異次元の賃金対策が必要なのかも…。
(山田ここ)