凄絶な摂食障害も…30歳「大食いタレントの死」で再燃する大食い番組の是非

 大食いタレントのもえあずが自身のX(元Twitter)を更新し、大食いタレント仲間の高橋ちなりさんが亡くなっていたことを報告した。高橋さんは本人が摂食障害であったことを明かしていたことから、大食いに対して是非を問う声がネット上に数多く寄せられている。
 
 7月29日、もえあずは「大食い仲間の高橋ちなりちゃんが2023年7月21日、永遠の眠りにつきました」と投稿。高橋さんの母親の意向でもえあずが公表することになったといい、「きっと今ごろ天国で美味しく食べて飲んでいるはずです」と明るく別れを告げた。ネット上では高橋さんの死を惜しむ声が多く寄せられているが、生前に高橋さんが自身のXで過食嘔吐という摂食障害で施設入所し、体重が20キロ台まで落ちていたことや、ガンマGTPが異常値になっていたことを明かしていたこともあって、《大食いはもうやめるべきだ!》といった声も少なくない。

 高橋さんと同じように、大食いは過食や拒食などの摂食障害につながることやテレビ番組で嘔吐する出場者が多いことなどが問題になっている。さらに、今年5月に放送された「最強大食い王決定戦」を観た高校生が「高校生新聞オンライン」に「苦しそうに食べる姿に違和感」「食材を無駄にしているみたい」「SDGsに逆行してない?」という3つの疑問を呈し、ネット上で大きな議論を呼んでいた。

「日本ではテレビでも未だに大食い番組がゴールデンタイムに放送されるなど人気のコンテンツになっていますが、中国では大食いが禁止されていて、大食いを助長するような配信をした場合には最大170万円の罰金が科せられるのです。これは食品ロスに対する取り組みですが、大食いは中性脂肪や悪玉コレステロールを増加させ、心筋梗塞や脳梗塞、痛風などのリスクも高めます。さらに、2002年にはテレビの影響で早食い対決をした中学生が喉にパンを詰まらせて窒息死する事故も起きています。高橋さんの死をきっかけに今一度大食いに対して考えることは重要なことだと思います」(フードジャーナリスト)

 これ以上、大食いで悲劇が起こらないことを願うばかりだ。

(小林洋三)

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