昨今、耳にする機会の増えた体重超過問題は、何もボクシングに限らない。
7月2日、大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場で開催された「ABEMA presents RISE WORLD SERIES 2023 1st ROUND」で、Hotaruと対戦予定だった河埜留奈が、再計量でも3.5Kgオーバーで規定により失格。河埜が属するのは、「神童」と呼ばれる那須川天心の父親・弘幸氏が会長を務めるTEPPEN GYM。弘幸氏は「2023年終わりまで代表職辞任、試合会場への立ち入り、セコンドの任務を禁止する」と、みずからに重いペナルティーを科した。
元キックボクサーの魔娑斗が、自身のYouTubeチャンネル〈魔娑斗チャンネル〉を更新し、減量方法に対する持論を述べた(7月7日)。
「今、減量方法、水抜きが凄いじゃん。1日で5kgとかさ、水抜きして計量するとか。それをみんなマネしちゃってるから、体重超過が起きてるんだとオレは思うワケ。水抜きってさ、筋肉量が多い人とかは落ちやすいワケよ」
しかし、魔娑斗はこの減量方法を「良し」とはせず、自身の現役時代は、
「(試合の)前日(計量時)に(水抜きで)落とすのは1㎏ぐらい。試合の1週間前には(オーバーが)3㎏あるかないか。それを1週間かけてジワジワ落としてく感じだね」
と、脂肪を削る作業を重視していたと説く。
ここで紹介されたのが、ボクシング前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥の減量方法で、1週間前に約3kgオーバー、水抜きを使わずに最終調整するといった内容に、「あれ?」と魔娑斗が首を傾げる。
「このやり方って…八重樫さんがトレーナーじゃなかったっけ? 八重樫さん、土居さんじゃん? 全く同じことやってるよ。まさにオレと同じ減量の仕方」
井上が所属する大橋ジムのトレーナーは、元3階級世界王者の八重樫東氏。その八重樫氏と魔娑斗は、同じくフィジカルトレーナーの土居進氏のもとでトレーニングを積んでいた時期がある。
魔娑斗の発言が、格闘界の減量問題に一石を投じることになるか?
(所ひで/ユーチューブライター)