「マイナ保険証は整合性が取れない」大竹まことの政府批判に集まる賛同の声

 総務省は、2016年1月から今年6月末までに、マイナンバーカードの廃止枚数が累計約47万枚となったことを公表した。

 マイナカードをめぐっては、マイナンバー保険証に別人の情報が紐づけされる誤登録が相次ぎ、信頼がガタ落ち。制度への不信感が募り、自主返納の動きが加速していると見られている。

 だが、河野太郎デジタル相は強気な様子で、7月8日に静岡市内で開かれたイベント視察後、囲み取材で自主返納が増えていることを聞かれると「本当に微々たる数」と発言した。

 翌9日に放送された討論バラエティー番組「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)でも、マイナンバー問題を取り上げた。司会の阿川佐和子が「返納するのは意味がない?」と問うと、パネリストとして出演していた国際弁護士の山口真由氏は、

「象徴的な行為なんですかね」

 米国人タレントの“パックン”ことパトリック・ハーランも、

「パフォーマンスですよね。返納したという抗議行動」

 と、一刀両断していた。

 山口氏はその後も「全部ミスなくやるのは難しい」「全部ちゃんとならないとマイナンバーやっちゃいけないとなると、日本はデジタル化が遅れていく」と、自主返納のムードに警鐘を鳴らしたのだが……。

 同番組のレギュラー出演者であるタレントの大竹まことは真っ向反論。

「デジタルはそんなに間違えちゃいけないものだと思うのが一つ。その前の大前提として、これの取得、任意なんだよね。だけどポイントを2万円つけますと。任意だけどポイントつけるからみんな取ってください、っていう風に言ってたんだけど、その次に保険証をもうなくしますって言ったんだよ。いや、ちょっと待て。任意だって言ったのに、一方で保険証をなくすんだと。これちょっと整合性が取れないよね」

 この大竹の意見に同調する視聴者が多かったようで、ネット上には〈今の地上波でこれを言えるコメンテーターは貴重だ〉〈大竹まことがまともな事を言うくらいだから今回は本当にヤバい事が起きてる〉など、賛同する声が相次いだ。芸能記者はこう話す。

「けしからん番組は取り締まる―という放送法の解釈変更以来、ワイドショーや情報番組で政府批判がしづらくなっています。コメンテーターも徐々に牙を抜かれる中、大竹さんは『ゴールデンラジオ!』(文化放送)の仕事をメインに据え、リスナーからの支持も厚い。一方、テレビは『TVタックル』や『チコちゃんに叱られる!』(NHK)くらい。たとえ、テレビで干されても帰る場所があるので、忖度した発言をする必要がなく、ズバズバ切り込んでくれるのです」

 ちょっと言い過ぎたところで、チコちゃんに叱られることはなさそうだが…。

(風吹啓太)

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