東京・大阪発「青春18きっぷ」は1日でどこまで行けるのか?

 1日から「青春18きっぷ」の夏シーズン(7月20日から9月10日)向けの発売が始まった。JRの普通・快速列車が1日乗り放題×5回分で1万2050円と大変お得で、鉄道ファン以外にも帰省や行楽などに広く利用されている。
 
 毎年60〜70万枚売り上げるJRグループの大ヒット商品だが、気になるのは列車を乗り継いで1日でどこまで行けるか。マニアは時刻表などを使って自分で調べるが、一般の方は知らないはず。そこで東京・大阪から1日で到達可能な駅をそれぞれ調べてみた。
 
 まず東京駅出発の場合だが、北は青森駅(奥羽本線など・青森県)や岩舘駅(五能線・秋田県)など。なお、盛岡—青森は青春18きっぷ不可の第三セクター鉄道区間で、秋田側に抜けて北上する必要がある。
 
 さらに北海道に向かう場合は、北海道新幹線の奥津軽いまべつ—木古内、第三セクターの道南いさりび鉄道(木古内—函館)に乗車可能な「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2490円)を別途購入しなければならない。これを利用しても日本最北の稚内駅に到着するのは3日目の19時49分。日本最東端の根室駅も3日目の8時半となり、1セットだけでは往復することはできない。

「ただし、青森—函館の津軽海峡は夜中もフェリーは運行しており、ショートカットの定番ルートとして鉄道ファンの間では人気です」(鉄道専門誌編集者)

 西は、新山口駅(山陽本線など・山口県)、米子駅(山陰本線など・鳥取県)などで、四国は牟岐駅(牟岐線・徳島県)、阿波池田駅(土讃線など・徳島県)、松山駅(予讃線・愛媛県)。以前は1日で九州まで行けたが、現在のダイヤでは不可能になっている。
 
 一方、大阪駅出発の場合、北は小牛田駅(東北本線など・宮城県)、東塩釜駅(仙石線・宮城県)、天童駅(奥羽本線・山形県)、荻川駅(上越線・新潟県)など。北陸ルートの金沢—直江津(新潟県)は同じく第三セクター鉄道区間となり、青春18きっぷのみを利用する際は首都圏を経由する形になる。

 西は佐世保駅(佐世保線・長崎県)、肥前大浦駅(長崎本線・佐賀県)、八代駅(鹿児島本線・熊本県)、宮地駅(豊肥本線・熊本県)、佐伯駅(日豊本線・大分県)など。ちなみに佐伯駅から宮崎・鹿児島方面に向かう普通列車は朝6時台の1本と極端に少なく、日本一の難所として知られる。

 新八代から鹿児島側に抜ける肥薩線もあるが、令和2年7月豪雨で大半の区間が未だ不通のまま。大阪駅から本州最南端の西大山駅には最短でも到着は2日目の20時25分。東京駅からは3日目の同時刻となる。
 
「移動時間を短縮したければ、一部区間だけ新幹線や特急を利用するのがオススメ。追加で運賃・特急券はかかりますが、東京発でも1日で九州上陸が可能です」(同)

 青春18きっぷの旅を検討している方は、ぜひ参考にしてほしい。

(高島昌俊)

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