コロナを脱して外食も日常に戻った昨今だからこそ、規則正しい食生活を心がけねばならないのはわかっている。でも、糖質多めで、濃い味付け、食後も脂っこさが口に残る、あぁ「B級グルメ」が恋しくなって仕方がない─。そんな人のために専門家に鑑定を依頼、少しでもマシな一品はどっちなのかをジャッジしてもらった。
1日の間に上下動する血糖値。その目安となる数字を、「運動しなくてもコレステロールがみるみる下がる食べ方」(主婦の友社)などの著書を持つ医学博士の板倉弘重氏が解説する。
「健康な人は、どんな時も140mg/dLを超えません。もっとも気をつけるべきは朝食前の空腹時血糖値で、健康な人は70〜110mg/dLで、それを超え続ける人は要注意。糖尿病予備軍と言えます」
血糖値が常に高いと、どんな症状が現れるのか。
「自分の血液が血管の組織を傷つけ、網膜や腎臓の機能不全、さらには動脈硬化が起こることも」(板倉氏)
まさに、糖尿病というヤツだ。さらに「溜まった糖類が脂肪に変わり、肥満になり、さらなる生活習慣病を招く」(板倉氏)という弊害もあるとか‥‥。B級グルメを3日と置かずに食べてきて、今さらピュアな体になれないのはわかっている。でも、なんとか予備軍で留まっていたい。そんな同志諸君、それでは、究極のジャッジを始めよう!
●かつ丼vs親子丼vs牛丼
日替わりで食べても飽きない昼メシの定番とも呼ぶべき丼の面々だが、気をつけるべきは肉以外の部分である。
「親子丼と牛丼は調味料として砂糖が使われ、かつ丼の衣はパン粉。また油の多さにより総カロリーが増えると、血糖値が上がりやすくなります」(板倉氏)
どれもオススメはできないが、避けるべきは、かつ丼だという。健康検定協会管理栄養士の望月理恵子氏が解説する。
「そもそも丼ものは、ご飯の量が多い。その中でも衣の分だけ、かつ丼は糖質が増えます。血糖値を急上昇させ、脂肪が蓄積しやすい料理です。どうしても食べたいとなったら、ロースではなくヒレを選べば、比較的ヘルシーになります」
というわけで、この勝負は牛丼(汁少なめ)と親子丼(ムネ肉)の勝利だ! 特に牛丼には、オススメの食べ方があるという。
「血糖値の上がりにくい朝食として、お肉大盛りでご飯は並盛の、吉野家でいう『あたまの大盛り』なら、たんぱく質がしっかり摂れ、1日の体温上昇がスムーズとなり代謝のよい体でスタートできます。ただし、『汁だく』にしてしまうと、噛む回数が減り、また塩分も糖質もプラスされてしまうので要注意です」(望月氏)
●ハンバーガーvsフィッシュバーガー
ファストフードの代表格であるが、肉より魚のほうが体によさそう。だが、「肉か魚かは、どちらを選んでも血糖値に影響はない」(板倉氏)というから、気にするべきは‥‥。
「かつ丼と同じで、衣をつけて揚げたものは糖質が高めになります。フィッシュバーガーは、パティ2枚のダブルバーガーよりも糖質量が多く、勝者はハンバーガーと言えますね」(望月氏)
ただ、ハンバーガーの中でも「ソースに砂糖が多く使われている、てりやきバーガーなどは、いい点数はあげられません」(板倉氏)とのこと。甘さのないハンバーガーを選ぶべし!
(つづく)