「大停電でマイナ保険証は使えない」玉川徹氏の持論にツッコミ殺到

 他人の口座の紐づけやデータの入力ミスなど、何かとトラブルが絶えないマイナンバーカード。6月2日には、来年秋に健康保険証を廃止して原則マイナンバーカードに一体化するマイナンバー法などの改正法案が可決、成立した。

 6月15日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では「堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法」(幻冬舎新書)が好評の国際ジャーナリスト・堤未果氏をゲスト解説者に招いて、マイナポータルについてスタジオで議論が交わされた。

 健康保険証の廃止について、マイナカードを作っていない人は廃止前に「資格確認書」を申請すれば、それで代用できるとして、すでにマイナカードを作った人についても、役所で返納することが可能だという。堤氏は「『保険証がなくなる、大変!』と焦って動く前に、他に選択肢がないかなど、まず調べることが大事」と主張。「立ち止まることは政府のためにもなるんですね」として、システムの再設計を行う時間の必要性を説いて、「返納することは意思表示として意味があります」と語った。

 さらに堤氏は日本の災害リスクに着目して「自然災害大国で全部デジタル化することが本当にいいことなのか。それからお年寄りとか弱者に目線を合わせて設計しないと、必ずほころびが出る。一回立ち止まるってことは絶対ウィン‐ウィンになってくると思います」と述べた。

 コメンテーターの玉川徹氏はこれを受けて「そうだよね」と同調して、「大停電とかになったら、みんなマイナ保険証だったら使えませんよね。紙だから成立しているんで、逆に便利なものっていうのは何かあった時に不便になる可能性もありますよね」とコメントした。

 だが、玉川氏の意見にSNS上では《停電になったら病院の機能そのものもアウトじゃないか?》《大停電になったら紙の保険証でも照合できないんじゃ…》《アナログで対処するにしても顔写真つきのマイナカードのほうがマシでは?》といったツッコミが寄せられていた。

「思い起こされるのは18年9月に北海道で起きた大停電。地震の影響で北海道全域がブラックアウトとなり、一時は300以上の病院が停電に見舞われました。その多くが非常用の自家発電で対応したものの、発電用の燃料の備蓄がとぼしく、空調などは使用不可。以降、数日間は、外来診療や透析治療を取りやめるなどの診療制限を余儀なくされました。こうした事例からも、大停電が起こってしまったら、保険証うんぬんではなく、診察や治療そのものが困難になります。また、今やカルテも電子化が一般的ですから、有事の際に『保険証が紙で良かった』といった話は聞かれないのではないでしょうか」(医療ジャーナリスト)

 法案成立後もマイナ保険証をめぐる議論はますます過熱しそうだ。

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