プーチン関与疑惑も…「ベラルーシに核配備開始」直後にルカシェンコ危篤の謎!

 ベラルーシのルカシェンコ大統領が、戦術核兵器配備をめぐり、ロシアからベラルーシへの核弾頭移転が始まったと表明したのは今月25日のこと。これに先立ち、両国の国防相は同日、ベラルーシの首都ミンスクで戦術核の保管手続きを定める文書に署名。いよいよ、戦術核の使用が現実味を帯びてきた。

 ところが27日、ウクライナメディア「ウクライナ・プラウダ」は、ルカシェンコ氏がプーチン大統領と面会したあと重篤な状態になり、モスクワ市内の病院に緊急搬送されたと報道。両国のみならず、西側諸国にも衝撃が走った。

「この情報は、ベラルーシの反政権派指導者の1人であるツェプカロ氏がSNSに投稿したもので、未確認としながらも『重篤な状態と判断され、専門医が派遣された』としています。ルカシェンコは9日にモスクワで行われた対独戦勝記念パレードに出席した際も、手に包帯を巻き足元がふらつくような状態で、プーチン主催の食事会を欠席して早々に帰国するなど健康不安説が囁かれていました。そのため、今回の報道も信憑性をもって受けとめられています」(ロシアウォッチャー)

 23日付のベラルーシ国営ベルタ通信によれば、ルカシェンコ氏自身は、医療問題に関する政府の会議に出席した際、健康不安説に触れ「私が死ぬと思っている人がいたら落ち着きなさい」として根も葉もないことだと主張。公務から離れたのは、単なる風邪のアデノウイルスのためで、外遊などで多忙を極めたため治療する時間がなかったと説明していた。

 とはいえ、そんな状態で再びモスクワに飛んでプーチン氏と会談、しかも会談後に緊急搬送されたとなれば、憶測を呼ぶのは当然のこと。SNS上には《業を煮やしたプーチンが毒を盛った可能性が高い》といったロシアによる毒殺未遂説や、《ルカシェンコ氏が万が一の場合に備え、自身の後継者問題と今後の両国関係について確認したのでは》等々の見立てが飛び交うことになった。

「たしかにルカシェンコは昨年来、プーチンからベラルーシ軍の参戦を求められるも、様々な理由をつけてかわしてきたことは事実。ただ、両国は互いに貴重な同盟国のひとつであり、プーチンにとって30年近くにわたり独裁体制を敷いてきたルカシェンコはコントロールしやすい人物のはず。しかも、いくら何でも自国において他国首脳の暗殺を企てるなど、あまりに現実離れしている。体調の悪いルカシェンコが会談の機会を利用して、最先端の治療を受けるためにモスクワ市内の病院に緊急入院したとの情報もありますが、どれも確認はできておらず、今後の推移が注視されます」(同)

 実はルカシェンコ氏は2021年5月、国家元首が暗殺やテロなどによって死亡した場合の権力移行と国内秩序維持に関する法令に署名している。その前月4月下旬に、大統領本人と子息に対する暗殺計画が明らかになり、急きょ制定したものだった。その際、ルカシェンコ大統領は、こんな声明を出している。

「私が殺された際には安全保障評議会が権力を引き継ぎ、瞬時に非常事態体制を敷き、他国による軍事行為に備える必要がある」

 今回の緊急搬送の真相はどうなのか。公式発表が待たれる。

(灯倫太郎)

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