途中トレードも!エンゼルス「故障者続出」が大谷の去就に与える深刻影響 

 これは、大谷翔平の去就問題に影響するのではないか? エンゼルスのリリーフ陣がピンチに陥っている。

 ベネズエラ代表でWBCでも好投した左腕のホセ・キハダ、4月21日にメジャー昇格したばかりのオースティン・ウォーレンが揃ってトミー・ジョン手術を受けることになった。

 5月6、7日のレンジャーズ戦では「野手」をリリーフ登板させる緊急事態にも見舞われたが、エンゼルスは救援投手の途中補強を検討しているという。

「フィル・ネビン監督は、ウォーレンにはかなり期待していたはず。去年5月、試合前に味方野手の打球が顔面を直撃し、鼻骨骨折するアクシデントに見舞われ、長期離脱していたんです。また、5日には左腕アーロン・ループも右太股裏を痛め、IL(負傷者リスト)入りしました」(現地記者)

 開幕して約1カ月で、惨憺たる救援投手不足なのだ。リリーフ投手の補強は避けられない状況だが、「交換要員」も見当たらない。

「一塁手のジャレッド・ウォルシュ、捕手のマックス・スタッシが出遅れ、正捕手を予定して昨季に獲得したローガン・オハピーも左肩手術を受けました。野手も人手不足のギリギリの状態。エンゼルスが先に『リリーフ投手をくれ』と相手チームにトレードを申し入れたら、足元を見られてしまいます」(同前)

 こうした危機的な状況にありながら、現地時間5月7日のレンジャーズ戦を終えた時点で19勝16敗、ア・リーグ西部地区2位をキープできているのは“奇跡”としか言いようがない。

「エンゼルスと大谷の代理人が水面下で残留交渉をしているともっぱらです。契約が満了する今季終了時点で出て行かれたら、エンゼルスには何にも残りません。大谷がチーム残留の条件に挙げた『優勝争い』にしても、今のままでは下位転落は時間の問題でしょう」(在米ライター)

 現地メディアが「もしかすると…」と心配している件がある。エンゼルスが「大谷の慰留は難しい」と判断したら、途中トレードもあるというのだ。仮に、大谷を出すと決めれば、相手球団は複数の救援投手、野手、捕手を出してくれるはず。

「契約最終年の主力選手とシーズン中から交渉をするのは、MLBでは当たり前。何も聞こえてこないということは、モメているんじゃないか?」(同前)

 残留交渉に関する情報の無さに、故障者続出で交換要員もいないチーム状況が重なり、大谷の去就への懸念がいよいよ強まってきた。

(飯山満/スポーツライター)

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