北朝鮮とは一触即発!韓国・尹大統領、中露にも喧嘩を売りまくる「白黒思考」とは

 12年ぶりに国賓として米国を訪問した、韓国の尹錫悦大統領。米国ではバイデン大統領と首脳会談を行い、米韓核協議グループの設置を決議したワシントン宣言を採択。また、尹大統領は米議会の上下両院合同会議で演説も行っている。

 今回の米韓共同声明では、台湾海峡の平和と安定の維持について「不法な海上領有権の主張、埋め立て地域の軍事化や強圧的行為を含め、インド太平洋におけるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する」と、名前こそ出さないまでも暗に中国を批判。また、共同記者会見では、ロシアのウクライナ侵攻についても「罪のない人命被害を引き起こす武力の使用は、いかなる場合も正当化できない」と、ロシアを念頭に一歩踏み込んだ談話を発表している。

「北朝鮮に影響力を持つ中国を刺激せぬよう気を使ってきた文在寅前政権とは明らかに違い、対中国で日米と完全に歩調を合わせる立場であることを表明した。つまり、中ロに対し韓国政府が“喧嘩上等”の姿勢を示したということです」(全国紙記者)

 尹大統領の発言を受け、朝鮮日報など韓国の保守系メディアは「韓米同盟を格上げし、米議会での堂々たる演説で国民に自負心を与えた」と好意的に報じたものの、ハンギョレ新聞などの革新系紙は「北朝鮮や中国、ロシアと過度に対立し最前線に立つのは無謀」と、リスクを背負いこんだとして批判的に報じている。

「尹政権が米国に近づいたのは、むろん経済や安全保障での支援を期待してのことですが、これは、文在寅政権が北朝鮮問題に関して中国に支援を求めて接近したのと理屈の上では同じです。ただ、その結果として、文政権下でなだれ込んできた北朝鮮のスパイにより、韓国の安全保障をメチャクチャにされてしまった。つまり、外交には表もあれば裏もあり、吉と出るか凶と出るかは蓋を開けてみなければわからない。そこをどう見極めるかが大統領の手腕ということになるでしょう」(同)

 尹氏は検事出身で信念が強く「正しいものは正しい」「白は白、黒は黒」とする性格だとされ、3月の日韓首脳会談の際も「野党の反発も考え、段階的に関係を改善すべき」とする慎重派らの声を無視。「一気に関係改善に動くべき」という推進派の意見を飲んで、首脳会談に臨んだという経緯があったとされる。

「長年検察官としての人生を歩んできたがゆえ、どうしても物事を白黒分ける癖が抜けず、政治に対しても白黒思考で善か悪かで捉える傾向があると見られています。尹大統領の世界観は同盟国は『味方』で、対する北朝鮮・中国・ロシアはしりぞけるべき全体主義勢力、つまり『敵』であるという認識があり、それがそのまま言動に表れているというのです」(同)

 尹氏の発言を巡り、3国は反発を示している。この会談後、尹大統領の支持率は上昇したというが、政権が交代すればいとも簡単に掌返しが起きる韓国のこと。今後の尹政権の行方が気になるばかりだ。

(灯倫太郎)

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