4月29、30日に共同通信が行った世論調査の結果、岸田内閣の支持率が46.6%だったことがわかった。このところ右肩上がりの支持率だが、いったいなぜなのか。全国紙政治部デスクが解説する。
「前回調査で数字が上がったのは、岸田文雄総理のウクライナ電撃訪問が寄与したものと分析されていました。しかし今回はナゼ上がったのか、何をしたからなのか、さっぱり意味が分かりません。強いてあげれば、和歌山市で爆弾テロに見舞われてもひるむことなく『民主主義を守った』ことでしょうか。テロがあっても統一地方選で全国を遊説したことが評価された、というより内閣に目立った不祥事がなかったことが大きいのでは。統一教会問題も国民が飽きてきたこともあり、大きな話題になっていない」
何もやらない方が、支持率が上がる。これは過去の内閣にも見られることだ。
「コロナ問題はようやく収まる形となり、マスクから解放される日が近づいています。野党は統一地方選挙で自滅してくれました。自民党内の派閥抗争も活発ではなく、岸田総理は枕を高くして眠れるのでは」(前出・政治部デスク)
秘書に抜擢した長男の問題も、どこへやら。あとは景気回復と少子化問題に強いリーダーシップを見せられるか。ただ、こうしてみると、ほとんどが「敵失」「フェードアウト」による恩恵であり、むしろ動かない方が無難であると学習したのではないか、と思えるほどである。
内閣の少子化対策について反対は56.3%、賛成が33.8%という数字が出たが、その資金を増税で補うことになれば、国民の反発は増すことになるだろうし、防衛費についても同様だ。
何もしなかったツケは、これから払うことになるのかもしれない。