タダ食い目当て!? ウーバーイーツ配達員が嘆く「トンデモ苦情」の実態

「気温が温かくなるとみなさん外へ食べに行くので、必然的に配達の数は減ってしまいます。マックの前で待機していてもなかなか(アプリが)鳴らない。おまけに最近は変なクレームが増えて、すぐにアカウント停止になってしまう。収入はかなり減りましたよ」

 こう嘆くのはウーバーイーツの配達員をしているAさん。コロナ禍でウーバーの仕事を始め、調子がいい時は1週間の収入が9万円台で推移していたという。だが、最近では出前館やWolt、menuといったフードデリバリーサービスが乱立。配達数は減少傾向にあって、そこへ追い打ちをかけているのが、クレーマーの存在だとか。「トンデモ苦情」の中身を明かすには…。

「1回あたりの配達料が高いこともあって、自分は東京・港区で配達をしています。お金持ちが多いせいか、細かいことで苦情が本部に寄せられます。夏場には汗をかくこともあって、『配達員がくさかった』なんてしょっちゅう。こちらは毎日、匂い対策で熱湯を使ってシャツを洗っていたのに…。つい先日、友人からシャレでもらった精力アップの御守をつけていたら、『卑猥なモノを身に着けていた。気分を害した』とクレームが寄せられ、アカウント停止の処分を受けました。そうなるといっさい稼働できずに収入はゼロ。配達員が不足しているのか、なんとか数日間でアカウント停止は解除されましたが、最近は身に覚えのない苦情も多くて、神経をすりへらす毎日です」(Aさん)

 もちろん、フードデリバリーにはサービス業の側面もあるため、配達先に気を配るのは当然のことだろう。とはいえ、苦情が増えている要因について、Aさんはこんな見解を示す。

「クレームによっては、注文した料理を食べた後でも、全額返金になるんです。知り合いの配達員に聞いた話では、最近は“タダ食い”を目当てに細かいところを突っ込んでくるクレーマーが増えているとか。ちなみに、配達員にはどこからクレームが入ったかはわからない仕組みになっていますが、配達料金はしっかり受け取ることができます。ただ、アカウント停止だけは本当に勘弁してもらいたいですね」

 先日には、フードデリバリーのライバル・出前館について、「5期連続の赤字の見通し」と報じられた。多少の返金に応じても「ウーバー1強」は揺るがないかもしれない。

(福島シゲル)

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