「心身共にナイフでズタズタにされる感覚でした 性犯罪被害に遭っているのと感覚は変わりありません」
4月17日、NHKの福祉ポータルサイト「ハートネット」の公式Twitterが投稿したツイートが波紋を呼んでいる。上記の一文はその一部だ。主に福祉関係の情報をつぶやく同アカウントは、この日、ある身体障がい者の女性の意見を掲載。内容は入浴や排せつ介助を男性介助者に行われる事は、羞恥心だけの問題ではなく、尊厳を傷つけられる問題だと訴えるもの。女性障がい者の一意見を取り上げて掲載したものだとしても、男性介助者からすれば、性犯罪呼ばわりされるかのような内容に賛否両論の意見が巻き起こった。
女性ネットユーザーの間では《性犯罪は言い過ぎだけど、同性にやってもらいたいのは同感》《自分も男性看護師さんに体を拭かれた時、心がちょっと死んだような気分になったから分かる》《介助はありがたいことだけど、排せつや入浴の世話を男性にされるのはやっぱり辛い。こういう意見があるというのは掲載するべき》などといった共感が聞かれたものの、一方で《排せつや入浴の介助はかなりの力仕事なので、男性介護士が担う事が多いのは仕方ない》《できるだけ本人の希望に沿えるのが望ましいが、人手不足の現場では難しいです》《NHKがこんな差別的な表現ツイートしちゃって大丈夫?》《男性ヘルパーはただ業務をしているだけなのに、犯罪者扱いしてたらますます人手が足りなくなる》といった反対意見も多くみられた。
異性介助に不満を抱える女性の意見を掲載するのは良いとしても、そうした状況を変えられない業界の慢性的な人員不足を説明に付け加えるなど、NHK側のフォローが必要だったかもしれない。
今回の論争の中で《介護ロボットが普及すれば解決する》という声も多かったが、こちらも導入コストの高さなどから普及は進んでいない。この騒動を機に、何か一つでも介護現場の悩みが解決できれば良いのだが・・・。
(浜野ふみ)