撮り鉄は要注意!「国家元首専用列車」は撮影したら命の危険も

 先日、ウクライナを電撃訪問した岸田総理は、同国が用意した政府専用列車で隣国ポーランドから陸路で入国。その様子がメディアで一斉に報じられたが、実はロシアにもプーチン大統領が国内移動に使用する「大統領専用列車」がある。ただし、こちらは存在自体がトップシークレットになっているようだ。

 3月18日配信の「ニューズウィーク日本版」によると、ロシア人鉄道愛好家のミハイル・コロトコフ氏は18年、自身の鉄道ブログにプーチン大統領の専用列車の画像を投稿。しばらくは何事もなかったが、3年が過ぎた21年5月、自身のユーチューブチャンネルのコメント欄に何者かが彼の通話内容を書き起こした文章を投稿する。つまり、自身の通話が何者かに盗聴されていたわけだ。

 これについて本人は、情報機関のロシア連邦保安局(FSB)による監視だと証言。その後、彼はウクライナ侵攻開始翌月の昨年3月にブログを閉鎖。9月には逮捕を恐れてスリランカに脱出したという。

「政府や国家元首の専用列車で有名なのは北朝鮮。秘密主義でも公にしているのは、金正日前総書記も現在の金正恩総書記も外交時に使用しているからです。本来はロシアのように秘匿の対象で、韓国は17年に公開するまで39年間も大統領特別列車を隠していました。中国も『国家主席専用列車』の存在が確実視されていますが、これに関する情報を一切出していません」(軍事ジャーナリスト)

 しかし、余程の鉄道マニアでなければ撮影した車両が専用列車かなんてわからない。海外旅行の際、何気なく撮ったり、SNSにアップした列車画像が原因で危険な目に遭う可能性はゼロじゃないはずだ。

「そういう国は駅などの鉄道施設が撮影禁止になっており、ルールを守るだけでリスクを回避できます。もちろん、厳格に守られているかは別問題で撮っても何も言われないことも多いですが、その場で拘束されたケースもあるので…」(前出・ジャーナリスト)

 日本のように気軽に撮り鉄ができない国があることも覚えておこう。

*画像は昔の韓国大統領専用列車

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