新庄日ハムの奇策「内野5人シフト」は新球場の「特殊構造と天然芝」で効果倍増だ!

 3月10日、甲子園球場で行われた日本ハム対阪神のオープン戦は、「6対0」で阪神のワンサイドゲームとなった。しかし、観客を沸かせたのは、やはりというべきか、日ハムの新庄剛志監督だった。キャンプ中から練習していた「内野5人シフト」を、初めて実戦でテストしたのだ。

「3回と8回にテストしましたね。一二塁間にレフトの松本剛が入り、セカンドの加藤豪将が二塁ベース後方に入りました。3回は長打を食らって失敗しましたが、8回は成功しました」(スポーツ紙記者)

 成功した8回は、レフトが一二塁間を守って打球を処理したので記録上は珍しい「レフトゴロ」。試合後、新庄監督は「ヒットゾーンはセンター前がいちばん広いから。あそこに1人(野手が)いたら(守れる)」とご満悦だった。もっとも、注目は「内野5人シフト」の際のレフト以外の2人の外野手の守備だ。今回はセンターの五十幡亮汰、ライトの矢澤宏太がそれぞれ左中間、右中間を守った。新庄監督は、両選手とも俊足で守備範囲が広いこともあり、外野を2人で守れるとしている。さらに、この2人と江越大賀がセンターとライトの時にしか5人シフトは採用しないという。

 そんな5人シフトは、実は、新球場・エスコンフィールド北海道に移転した後は、さらに効果を発揮すると言われている。理由は新球場の形状だ。エスコンフィールド北海道は、外野の奥のファウルゾーンが「ない」のだ。フェアゾーンを示す白線のすぐ先がスタンドになっている。そのため、俊足外野手の守備範囲は他球場よりも狭い。

 また、同球場は内外野ともに天然芝である。天然芝ではゴロの打球が失速するとされる。「5人の内野手」に加えて失速する打球であれば、アウトにできる可能性も高くなるというわけだ。

「5人シフトを練習していたとき、新庄監督は三塁走者ではなく、二塁走者も本塁に生還させたくないからと説明していました。もしかしたら、内野手の頭を超えて外野に転がっても、2人の俊足外野手が失速した打球に追いついたときの強肩も計算に入れているのかもしれません」(球界関係者)

 5人シフトはエスコンフィールド北海道の「名物プレー」となりそうだ。

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