2月23日、作業服大手のワークマンは「2023年春夏新製品発表会」を開催し、デザインを重視した新業態「ワークマンカラーズ」を立ち上げてアパレル業界に本格参入すると発表した。これまでの機能性や安さに加え、ファッション性を重視した商品を展開していくという。だが、ネット上ではその方向性を疑問視する声も出ている。
「同社はもともと現場や工場で着る作業服や関連用品の専門店でしたが、18年にカジュアル色を強めた『ワークマンプラス』をオープンさせると、アウトドアブームの影響もあって一般の男女にも受けいれられ、店舗も急増しました。20年には女性向けの商品を専門に取り扱う『ワークマン女子』を立ち上げるなどアパレル業界に急接近していましたが、次の一手としてファッション性を全面に押し出した新業態が立ち上げられることになったといいます」(ファッションライター)
安価でファッション性もあるブランドといえば「ユニクロ」が最右翼だが、ワークマンの土屋哲雄専務はユニクロについては、「同じテーブルになると必ず負けてしまうので、できるだけユニクロの世界には近づかないようにしています」と説明している。しかし、「価格的には(ワークマンがユニクロの)半値ほどで、機能的に言ってもうちの方が強い」とも語っており、デザイン性が加われば十分勝負が出来ると考えているようだ。
「ワークマン女子も絶好調ですし、若者の間では『ワークマン=作業服』というイメージが薄れつつある。アウトドアブームも徐々に落ち着き始めていることから、機能性重視からファッション性重視へ転換するのには最適なタイミングだったのではとも言われています。専務の発言の通り、価格や機能性では負けていないことから、ファッション性でも認められるようになればユニクロ超えもあるかもしれません」(前出・ファッションライター)
安価でファッション性も機能性も耐久性も高い、となれば消費者の心は掴めそうだが、果たしてユニクロの牙城を崩すことができるのか…。
(小林洋三)