2月24日、日本ハムの新庄剛志監督が阪神との二軍の練習試合を視察した。そこで圧巻のピッチングを披露したのが7番手で登板した左腕・山本晃大だった。
「1イニングを投げ、無安打。2三振1四球。最後はキャッチャーフライでした。2三振は一軍経験のある熊谷敬宥、高山俊から奪ったものです」(現地メディア)
山本は昨秋、育成ドラフトで4位指名された。日本ハムは支配下で6人、育成では4人しか指名していないため、「ラストコール」でプロ入りしたことになる。
「関西学院大学時代の同級生には、2021年のドラフトで広島から1位指名された黒原拓未がいます。その黒原の影に隠れていたせいか、4年間の通算成績はわずか1勝でした」(学生野球担当記者)
また、中学時代の野球仲間の同級生には、昨季ブレイクした阪神・湯浅京己もいる。先にプロ入りした同級生たちへのライバル心も強く、日本ハムも「左の先発要員に」と期待しており、近い将来の支配下登録を見越しての育成指名だったようだ。
「球速も出ていましたし、腕の振りも強いです。新庄監督は単に二軍を見に行ったのではなく、山本の状態を確かめたかったようです」(球界関係者)
プロ入りまで遠回りした左腕が新球場のマウンドに立つ日もそう遠くないようだ。
だが、新庄監督にとって今季の「隠し球」は投手だけではない。山本の視察の前日には一風変わった練習も披露した。
「23日の守備練習で、新庄監督は外野手を二塁ベース後方に立たせる『内野5人シフト』の練習をしました。三塁走者を生還させないため、5人制を敷く布陣は見たことがありますが、新庄監督はゴロヒットで二塁走者を生還させないためと説明していました」(前出・現地メディア)
得点圏の二塁からヒット一本で走者が本塁まで帰ってくるケースはよくあることだが、それをさせないためのシフトを、今シーズンは多用する意図があるようだ。
ダークホースの投手と奇想天外な戦略。新庄劇場シーズン2がもうすぐ開幕する。