日本のファンにとっては残念な発言内容だった。2月3日(現地時間)、エンゼルスのフィル・ネビン監督が「MLBネットワークラジオ」でインタビューを受け、大谷翔平選手の侍ジャパンの合流時期についてこう回答した。
「(日本)代表に合流する前に先発するだろう」
エンゼルスは2月25日にオープン戦初戦を予定している。具体的な登板日こそ明かさなかったが、オープン戦に登板するのであれば、大谷は日本時間の同日から始まる壮行試合には“ベンチ入りすらできない”ということになる。侍ジャパンへの合流はワールド・ベースボール・クラシック(以下=WBC)の一次リーグ開始直前となりそうだ。
「日本のファンには申し訳ないですが、MLB側は侍ジャパンの壮行試合は、WBCとは異なる別イベントだと解釈しています。WBC関連の行事ではあるんですが、所属選手を貸してまで協力する義理はないと…」(在米ジャーナリスト)
パドレスのダルビッシュ有投手は強化合宿初日からの参加が決まったが、カブス・鈴木誠也、レッドソックス・吉田正尚、カージナルスのラーズ・ヌートバーの3選手も合流時期がはっきりしない。大谷同様、一次リーグの開始直前の合流となるというのが大方の見方だ。
そうなると、壮行試合6戦での侍ジャパンは”選手不足”に陥り、試合が成立しない可能性もある。たとえ試合が成立したとしても、不慣れなポジションでの出場が続けば、選手の故障や事故につながってしまうかもしれない。
「壮行試合のチケットはすでに販売を開始しています」(スポーツ紙記者)
そこで急浮上してきたのが、「壮行試合のみの臨時選手」の招集案だ。栗山英樹監督も真剣に”臨時レンタル”を検討しているという。
「6試合全て同じ選手でなくてもいいんです。壮行試合の間、NPB12球団から一時的に選手を派遣してもらって試合を成立させよう、と」(球界関係者)
合流が遅れそうな鈴木、吉田は外野手だ。NPB球団から外野手をレンタルすることになりそうだが、こんな意見も聞かれた。
「試合レベルを考えれば、実力差のほとんどないレギュラー選手を借りるべき。でも、日本人メジャーリーガーを見られないファンのガッカリ感を考えると、次回大会で代表入りしそうな若手を派遣してもらったほうがいい」(ベテラン記者)
日本人メジャーリーガーの合流時期だけでこんなに揉めている。WBC本番は大丈夫だろうか。
(飯山満/スポーツライター)