「世界腐敗国ランキング」汚職清潔度で日本18位、ロシア137位、北朝鮮は…?

 1月31日、毎年恒例となった「腐敗認識指数」ランキングが発表され、日本の「清潔度」が180カ国・地域中18位(73点)と前年から横ばいだったことが明らかになった。

 このランキングを発表しているのは、ベルリンに拠点を置く反汚職団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」で、世界の国・地域を対象に、政財界幹部らによる腐敗レベルの認識度を0〈極めて腐敗している〉から100〈極めて清潔〉で数値化。点数が高いほど汚職・腐敗度の低さを表している。

「2022年度のランキング1位は90点を獲得したデンマークで、2位が87点のフィンランド、ニュージーランド(87点)、以下4位にノルウェー(84点)、5位にシンガポール、スウェーデン(83点)と続くのですが、現在ウクライナに侵攻を続けるロシアは137位。一方、侵略を受けるウクライナも長年汚職がはびこり、撲滅対策で若干改善傾向は見られるものの116位と、相変わらず汚職・腐敗度は高いままです。また、今回はグアテマラ、ニカラグア、キューバがそれぞれ過去最低の順位に転落。背景には公共機関による組織犯罪や、人権侵害の増加が挙げられるとしています」(全国紙記者)

 同団体によれば、ランキング下位国の特徴はいずれも「紛争の影響があること」「ガバナンス(統治)が弱いこと」「警察や司法の力が弱いこと」「メディアの独立性が十分でないこと」などで、同団体のデリラ・フェレイラ・ルビオ会長は「弱い政府は犯罪網や社会的葛藤、暴力を食い止めることができない。また、一部では治安対策に名を借りた権力集中により脅威が増大する事態が見られる」と、その要因を分析している。

 一方アジアに目を向けると、日本の18位に続き、韓国が31位(63点)、中国が65位(45点)と続き、国軍による市民の弾圧が続くミャンマーは157位(23点)、そして171位に北朝鮮がいる。北朝鮮の17点は、アジア太平洋地域31カ国の中では最も低い数値で、北朝鮮より低かったのは、内戦や紛争中のイエメン、ベネズエラ、南スーダン、シリア、ソマリアの5カ国のみだった。

「今回の調査で、改めて北朝鮮が世界で最も腐敗した国の一つとして評価されたわけですが、北朝鮮はいわば清潔度の下位常連国で、汚職だけでなく役人が賄賂と引き換えに人身売買や児童労働を強制するなど、人権侵害が横行しているとして問題視されてきました。2020年2月末には金正恩委員長の指示により『不正・腐敗行為があった』とみなされた現職の党副委員長2人が解任され、その後も労働党機関紙や国営通信で『腐敗撲滅』『全社会的な道徳建設』のキャンペーンが打たれたこともあります。しかし北朝鮮ではバスに乗るにも賄賂、医師の診察を受けるのにも賄賂、無償教育も名ばかりで、授業料は取らないものの何かにつけて賄賂を請求される有様です。つまり、役人だけでなく生活のすべてに汚職・腐敗が入り込んでいる状態なのです」(同)

 数年前の議会で、「非党的、反人民的、反社会主義的行為を転換させる」と強い口調で述べたとされる金総書記だが、実現は難しそうだ。

(灯倫太郎)

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