3月に開催される高校野球「センバツ甲子園大会」の出場校が1月27日に発表される。今年は「95回」の記念大会ということもあり、例年よりも4校多い36校が選ばれるが、その「出場決定シーン」が大きく様変わりしそうだ。
「夏の甲子園」の恒例シーンと言えば、都道府県の決勝戦のゲームセットと同時に勝利校が「歓喜の和」を作って喜ぶ場面だ。それに対し、センバツ大会は学校長が電話機の前で「出場決定の一報」を待ち、それを伝えられた野球部員がバンザイをする。試合ではなく、選考で決まるセンバツならではの名物光景だった。しかし、日本高野連は今年から「当落の電話はやめる」と決めたのである。
そもそも、学校長にかけていた電話の要点は2つ。「選ばれたこと」を伝えるのはもちろんだが、「出場できるのかどうか」の確認もしていたのだという。学校長の、「ありがとうございます」「よろしくお願いします」が、「出場します」の返答にもなっていたそうだ。だが、この「意思確認」の必要性が問われたのである。
「とくに21世紀枠の学校がそうなんですが、都道府県の高野連から推薦された時点で、出場の意思は示されていたわけです。都道府県の高野連は候補に挙げた学校に出場の意思確認をしてから、日本高野連に候補校リストを渡してきたのですから。だったら、わざわざ電話して確認する必要はないと…」(高校野球関係者)
電話不使用にはもう1つ理由がある。それがインターネットだ。
「近年、出場校を承認する選考委員会総会の様子がネットでライブ配信されるようになりました。連絡しなくてもわかるでしょ、というわけです」(アマチュア野球担当記者)
当落の電話待ち、それを伝え聞いた野球部員の「ヤッター!」の歓喜シーンが消える…。時代の流れといえばそれまでだが、ファンにとってはやや味気ない話ではある。