「Amazon Music Unlimited」値上げは「プライム会費」大増額の布石か

 アマゾンジャパンは、1億曲以上の楽曲を聴き放題で楽しめるサブスクリプションサービス「Amazon Music Unlimited」の値上げを発表した。昨年5月には同サービスのプライム会員個人プランやワンデバイスプランが値上げされたが、今回は個人プラン、学生プラン、ファミリープランも値上げされることとなった。

 同社によると、より多くのコンテンツや機能を届けるためAmazon Music Unlimitedの一部プランの価格を改定するといい、個人プランは月額980円から1080円に、学生プランは月額480円から580円にそれぞれ100円値上げし、ファミリープランは月額1480円から1680円に200円値上げされる。改定後の価格は2月21日から適用され、同日以降の最初の請求書から新価格が記載されるという。

「つい先日まで、同サービスでは3カ月無料キャンペーンが実施されていたばかりで、突然の値上げにネット上では驚きの声も見られ、《プライム会費値上げの布石?》と疑う声もあります。Amazonは昨年2月にアメリカで、9月にはイギリスやドイツなど欧州の主要国でプライムの会費の値上げを実施し、日本の4900円(年額)のおよそ3倍程度に跳ね上がっていますからね。Amazon Music Unlimitedの次はプライムを、という可能性も十分にあると思います」(ITジャーナリスト)

 昨年11月にアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は日本経済新聞の取材に応じ、現時点では日本での値上げは予定していないと語っている。しかし、世界情勢の急激な変化によってスポーツ映像配信の「DAZN」は2年でほぼ倍となる3700円に値上げするなど、投資のフェーズから収益化のフェーズに舵を切るサブスクも少なくない。それだけに、プライム会費の大幅値上げも覚悟が必要と言えそうだ。

(小林洋三)

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