2023年ニッポンを襲う危機(4)死傷発生率10%!いつ落下してもおかしくない「宇宙ゴミ」問題

「宇宙ゴミ」(スペースデブリ)とは、文字通り宇宙空間を漂うゴミのことだ。10センチ以上のものが約2万個、それより小さい「ゴミ」も含めると1億個以上あるとJAXAは報告しているが、この落下危機の恐れが年々高まっている。

「宇宙ゴミは秒速7~8キロのスピードで周回しており、1センチに満たないものでも衝突時の威力は凄まじく、金属に穴をあけてしまうほどなのです」(サイエンスライター)

 2009年、ロシアとアメリカの人工衛星が衝突する事故が起きた。これを機に、軌道上に膨大な量の宇宙ゴミがまき散らされたという。さらに、この破片がぶつかり合って小さな宇宙ゴミとなり収拾のつかない状態だというのだ。

「問題は、これらが衛星などを積んだロケットに衝突する可能性があることです。 超高速で飛行しているため、小さいゴミが衝突するだけで致命的な損傷となり計画が頓挫する恐れもあります。当然、既存の衛星や宇宙ステーションでさえ危険に晒されている状況です」(前出・サイエンスライター)

 また、運用を終えた人工衛星やロケットは大気圏に再突入し、ほとんどは燃えつきてしまうのだが、耐熱素材でできた部品や大型部品は地上まで落下する危険を孕んでいる。

 15年11月には、スペイン南東部・ムルシア州の畑に、衛星の破片やロケットの補助燃料タンクと見られる部品が落下。しかも1週間のうちに3つもの落下物が確認されている。

「11年3月には、米コロラド州北西部でロシア製のロケットのタンクが落下している。発見された際、タンクはまだ温かく、周囲はクレーター状の穴ができていたといいます。落下時の衝撃の強さを物語っており、人や家に当たれば大事故になることは必至。これまで人的被害が報告されていないのが不思議なぐらいです」(科学雑誌編集者)

 近年は宇宙開発が進み、各国のロケット打ち上げ回数も増加。そのぶん宇宙ゴミが落下する可能性が高まっており、カナダの大学研究チームなどは、過去30年間で1500以上のロケットの残骸が軌道を外れ、うち7割が制御不能と推定している。

「さらに落下する危険のある残骸が651個もあり、今後10年間で宇宙ゴミの落下により死傷者を出す確率が10%との分析結果を発表している。国際的なルール作りが急務です」(前出・科学雑誌編集者)

 月旅行などと浮かれた話もあるが、まずは宇宙ゴミの対策が最優先だろう。

(蓮見茂)

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