「機内マスク拒否男の有罪判決は見せしめ」古舘伊知郎が感じた矛盾とは?

 フリーアナウンサーの古舘伊知郎が12月14日、コメンテーターを務める情報番組「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(TBS系)に出演。飛行機内でマスク着用を拒否してトラブルとなり、客室乗務員にケガを負わせ、安全な運行を妨げたとして、障害や威力業務妨害などの罪に問われた明治学院大学の元非常勤職員の裁判に私見を述べた。

 番組ではこの裁判を特集。起訴状によると、被告は2020年9月、釧路空港発関西空港行きのピーチ・アビエーション機内で隣の乗客からマスク未着用を侮辱されたと主張。被告は客室乗務員に対し、隣の乗客に謝罪させるよう大声で要求したが拒否された。その後も被告は謝罪を要求。客室乗務員は要求を継続した場合には緊急着陸して降機させると通告。客室乗務員が安全阻害行為をしないよう求める命令書をシートポケットに入れようとした際、被告が腕をつかんでねじり上げたという。安全保持のため、飛行機は新潟空港に緊急着陸した。

 14日の判決で大阪地裁は「(ノーマスクという)自らの考えを押し通すため犯行に及んだ」と厳しく言及する一方、「腕をつかまれたとする客室乗務員の供述は信用できず、暴行の程度は低い」として、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役4年)の有罪判決を言い渡した。

 この裁判で意見を求められた古舘は「見せしめということも含めて、このぐらいの判決が出るのは妥当だなと僕も思う」と判決結果を支持。ただ、気になる点があるとして、「今はマスクをめぐってフェーズが変わってきているので、この裁判で被告が証言台に立っているときに、2メートルのアクリル板が周囲を囲む形でやっていたというのはね。マスクをしないことへの見せしめがまだ続いているのかな。ちょっとそのへんは違和感がありましたね」と私見を述べた。

 古舘が苦言を呈したアクリル板の設置については、潮目が変わってきた。加藤勝信厚労省が12月9日に行った記者会見では、これまで設置されていた演台のアクリル板を撤去。加藤厚労省は過剰なコロナ対策は不要とアピールした。

「ところが、『ゴゴスマ』の放送では出演者らの間には背の高いアクリル板が設置されていました。古舘は裁判所内でのアクリル板が過剰対策だと言わんばかりばかりでしたが、同じことを『ゴゴスマ』のスタジオにも言いたかったのではないでしょうか。アクリル板は換気を妨げるというデメリットも指摘されています」(週刊誌記者)

「ゴゴスマ」のアクリル板がいつ撤去されるのか、注目だ。

(石田英明)

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