デビュー後、92年度後期NHK朝ドラ「ひらり」の主役や2年連続で紅白歌合戦の司会を務めるなど、姉に先行してひかりがブレイクする。
そんな彼女の生ツバシーンは、大林宣彦監督の新尾道三部作の映画「ふたり」(91年、松竹)でのこと。撮影当時18歳の「バスト」がポロンしたのだ。
ひかり扮する実加の姉・千津子(中嶋朋子)が事故で亡くなると、ある時から幽霊となって実加の前に現れ、何かと窮地を救ってくれていた。
そんな状況のある日、ひかりが白色の湯船に浸かっていると、急に中嶋が出現する。驚いたひかりが前かがみになった瞬間、おわん型の丸みを帯びた輪郭のバストがチラ見え。すると中嶋は、
「あんたも結構、女らしい体つきになってきたね」
と〝観客の総意〟を代弁してくれるのだ。佐々木氏も賛意を表して、
「性を感じるほどの場面ではないですが、清純派のひかりが脱いだことに大きな意味があった」
初映画作品でおぼこい姿を見せると、再び〝脱がせ屋〟の大林監督が93年の映画「はるか、ノスタルジィ」(東映)で主演に起用した。
映画評論家の秋本鉄次氏が振り返る。
「美少女を輝かせることに一家言あった監督で、ひかりは理想のイメージにハマったのでしょう。美ボディはまだ華奢な感じで成熟していませんでしたが、それが魅力的にも映ったのです」
小樽を舞台にヒロインのはるかと、勝野洋(73)扮する小説家・綾瀬慎介のかつての恋人・遥子の2役を好演。気になる艶シーンは、慎介の高校生時代を演じる松田洋治(55)との荒々しい性描写で口火を切る。
「温泉旅館の一室で、両肩を押さえながら畳の上に寝かされると、白い肌着を力任せに引きちぎられ、ボタンが弾け飛ぶ。そして、瑞々しいバストの膨らみが浮き上がり、男に身をゆだねます」(映画ライター)
さらに終盤では、抱かれるために勝野の部屋を訪れ、
「もう逃げないでください」
悲しげな目で見つめながら、みずからブラウスとスカートを脱ぎ、上の肌着もスルリと肩から外す。そこから障子越しのシルエットになり、下も脱いで生まれたままの姿になるのだ。
男女の営みシーンのお披露目こそなかったが、ラストに何も着けていない2人が窓際で語り合い、ひかりの胸の谷や下弦をじっくりと拝めるシーンは眼福ものであった。芸能記者はこう明かす。
「大林監督はひかりの父親と、『20歳になるまでは親にとっての娘なので、それまで他人には素肌を見せない』と約束をしていた。撮影当時は19歳だったので、最後の砦のバストトップは髪の毛で隠されていたんです」
ひかりはドラマでも91年に「1970 ぼくたちの青春」(フジテレビ系)で男女のシーンに挑戦しているが、VHSは入手困難の至宝になっていた。
*週刊アサヒ芸能12月1日号掲載