石田ゆり子が小池百合子に「挑戦状」(1)自民党が白羽の矢を立てた

「奇跡のアラフィフ」と称され、ドラマやCMで大活躍の石田ゆり子が、小池百合子都知事に〝挑戦状〟を叩きつけた! この夏の新ドラマ「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」で石田が演じているのは東京都知事。名前の「ゆりこ」だけではなく、役柄の設定まで「丸かぶり」しているのだ─。

 東京都議会選挙の投開票が行われた7月4日、注目は小池百合子都知事(68)が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の議席数だった。夕刊紙デスクが振り返る。

「過労による自宅療養が明けたばかりの小池氏は、選挙戦最終日の7月3日にサプライズで候補者の激励に出向くなど、懸命な姿を見せました。しかし、結果は選挙前の45議席から31議席(のちに30議席)に減少。33議席を獲得した自民党に第1党を譲った。事前の惨敗予想を覆す善戦でしたが、前回のように『小池フィーバー』とは、いきませんでしたね」

「百合子」の戦いが注目されたこの日、もう一人の「ゆり子」が国民の視線を集めていた。

 21時にスタートした日曜劇場「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(TBS系)で、女性初の首相候補として脚光を浴びる都知事・赤塚梓役を石田ゆり子(51)が演じたのだ。

 政治生命を左右しかねない状況でも決然と立ち向かい、人命に重きを置き、静かな情熱で主人公たちを引っ張っていく。まさに理想のリーダー像で「百合子」への当てつけとも取れるが‥‥。

 放送作家で映像プロデューサーの島右近氏によれば、

「石田が演じる赤塚都知事は報道記者から衆議院議員に当選し、のちに都知事になったという設定。小池さんもニュースキャスターから国政へ転身後、都知事に。名前だけじゃなくて『マスコミ出身の都知事』という点も被っています」

 劇中では「相変わらず、こういうパフォーマンスだけはうまいよなぁ、赤塚梓都知事大先生は」など、「百合子」への皮肉ともとらえられるセリフもあり、ネット上では「マジで都知事にならないかな」「ぜひ、立候補してほしい」といった声であふれ返った。

「第1話の放送が都議選の開票日でもあり、あえて同じ名前の石田を起用した可能性もなくはない。キャスティングプロデューサーの立場からすると『そのほうが話題になる』となりますからね」(島氏)

 その目論見が当たったのか、初回の世帯平均視聴率は14.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録。まさに「ゆり子フィーバー」と言っても過言ではない好発進となった。

 そんな石田には「政界転身」の噂が流れたこともある。前出・島氏が明かすには、

「今秋、衆議院議員総選挙が行われますが、昨年、新型コロナ対策で支持率が落ちていた安倍政権が、中高年の女性に人気が高い石田を擁立する動きがあった、と騒がれました」

 実際、石田も昨年3月5日、自身のインスタグラムに次のように綴っている。

〈こういうとき大切なのは自分の言葉でちゃんと国民と向き合うリーダーなんだろうなぁと思ってしまうし、報道の皆さんマスコミの皆さん みずから国民をパニックにしないでほしいと思うし これはやはり日本という国の全体の課題なのでしょうか〉

 こうした政治への関心の高さも、自民党が白羽の矢を立てた理由なのだろう。

「ドラマやCMに引っ張りだこですから、現実的には政治家への転身は難しいでしょう。最近はドラマ『民衆の敵』(17年、フジテレビ系)でジャーナリスト、『BG〜身辺警護人〜』(18年、テレビ朝日系)では厚生労働大臣、映画『記憶にございません!』(19年、東宝)で総理夫人、と堅い役を演じることが多い。『ぜひリーダーに!』と期待する声が多い背景には、こんな役柄の影響もあると思います」(島氏)

 とはいえ、現職への「挑戦状」で今後ますます「ゆり子都知事」の発言が注目され、「百合子」と比較されるケースは多くなりそうだ。

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