この温度差の理由は? オフの補強はこれからだというのに、セ・パ両リーグの2023年の公式戦と交流戦の日程が発表された(11月8日)。
「コロナ禍が落ち着いてきたこと、来年5月に広島市でG7サミットが予定されているため、警備や移動、宿泊ホテルなどに影響が出ないよう、球界も早めにスケジュールを公表しておこうと」(球界関係者)
G7サミット開催のため、広島は5月7日から約3週間、本拠地・マツダスタジアムでの試合がない。
注目の岡田阪神の開幕戦は3月31日、京セラドームでの対DeNAと決まった。しかし、両チームの指揮官のコメントは、あまりにも対照的なのだ。DeNA・三浦大輔監督は岡田阪神に対し、「私情は挟まないですよ」「負けるわけには‥‥」と力強く言ったが、岡田彰布監督は、
「オレはあんまり、開幕を気にしてないな」
と、淡々と答えていた。
三浦監督の実父が岡田監督の私設後援会メンバーだったのは有名な話。三浦監督自身も小学生のころから交流を持っていたことを明かしており、それが「私情は挟まない」発言となったのだが、岡田監督の「気にしない」の言葉は冷静すぎるほどだ。
「開幕カードを意識しないのは、シーズンを通してという考え方からです。指揮官としてのキャリア、プロ野球界に長く携わってきた60代の年齢がそう言わせたんだと思います」(在阪記者)
ペナントレースは長い。その落ち着き払った言動はさすがだが、こんな指摘も聞かれた。
「岡田監督は投手を評価する際、『何勝を挙げたか』ではなく、勝敗を見て『いくつ貯金を作れたか』を見るんです。今季、救援投手陣の活躍が目立ったものの、岡田監督は『負け数のほうが多い』と言って驚いていました。岩崎優もセットアッパーに戻すみたいですし、クローザーは様子を見ながら決めていくようです」(在阪記者)
データと実戦で得た感触を比べ、ペナントレーレース中盤までにチームの勝ちパターンが出来上がればいいと思っているのだろう。
対するDeNAは投打ともに戦力が揃っている。岡田監督のドライな発言は、案外、黒星スタートとなってもチームが浮足立たないよう、“保険”を掛けたものなのかもしれない。22年の敗因に、開幕戦での逆転負けショックを挙げる声がいまだ多いからだ。
(スポーツライター・飯山満)