西野朗氏、タイ代表監督「就任否定」で蒸し返された“苦い過去”

 ロシアW杯で日本代表をベスト16に導いた西野朗前監督がタイ代表の監督に就任すると、タイサッカー協会が発表したのは7月1日のこと。タイサッカー協会の公式サイトに会長との写真まで掲載され、地元メディアがこぞって就任を報じた。

 ところが翌2日にタイから帰国した西野氏はこれを完全否定。名将の就任を巡って日本だけでなく、ほほ笑みの国も巻き込んだ騒動になっている。

「なぜこのような騒ぎになったのか。帰国した西野さんが『今の段階では就任はない』と話しているのから考えると、タイサッカー協会からのオファーがあったものの、条件面で折り合いがつかなかったのではないでしょうか。あるいはこれから条件を詰める予定だったのに、タイサッカー協会が先走ってしまったのだと思います」(スポーツ紙記者)

 いずれにしても、西野氏にしてみれば寝耳に水だったようだ。だが、西野氏が過去に起こした騒動のせいで、そう見えないと指摘する声もある。

 その騒動とは浦和レッズの監督就任をめぐるドタバタだ。11年、浦和レッズは柏レイソルとガンバ大阪を指揮し、いくつものタイトルを獲得した西野氏に監督就任を要請。西野氏は浦和市(現・さいたま市浦和区)出身ということもあり、就任に前向きで後は細かな条件を詰めるだけと見られていた。

「ところが突如として西野さんが監督就任を断ったんです。理由は過激な浦和サポーターを恐れたからだと言われていました。西野さんの自宅はさいたま市内にあり、ガンバ大阪の監督だった時は浦和戦に勝利するとピンポンダッシュされたこともあったそうです。さいたま市内でエステサロンを経営している奥さんの意向もあったとか。対戦相手の監督でピンポンダッシュに遭っているのに、浦和の監督になって負けときのことを心配されたようです」(スポーツライター)

 監督就任が報じられながら、結局、うやむやになった点は浦和もタイも同じ。西野氏にとっても思い出したくない過去を蒸し返されることとなってしまったようだ。

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