日本だけでなく、海外にも愛好者の多い「性の玩具」は、米国の調査会社スタティスティック・ブレイン社によると、全世界の市場規模が150億ドル(約2兆2400億円)にものぼる巨大市場に成長しているという。だが、国によっては法律で販売や所持が禁止されている。その1つがタイだ。
東南アジアではフィリピンと並ぶ、性サービス産業の盛んな国だけに意外に思われるむきも多いだろう。だが、同国の刑法第287条には《わいせつな商品を販売・提供・貸与した者は3年以下の懲役か6万バーツ(約25万4000円)以下の罰金、またはその両方が科せられる》と明記されている。
実際、複数の業者が毎年摘発されており、今年もマッサージ機の名目でネット販売していた中国人とタイ人の夫婦が逮捕され、バンコク市内の倉庫に隠し持っていた約1万8000点の中国製の商品が押収されている。
「タイ国内における大人の玩具は、今回捕まった業者のようにオンラインで販売していたり、バンコクでも歓楽街で有名なパッポン通りやナナプラザ周辺などでは、露店で堂々と売っていたりします」(バンコク在住ライター)
基本的に摘発されるのは、これらの玩具を「商業目的」で販売したり流通させたりした業者や個人だ。
「とはいえ、最高刑が死刑でおとり捜査も積極的に行っている覚醒剤に比べれば、大人の玩具は取り締まりも量刑も緩い。しかも、数多く売れるので捕まるリスクを冒してでも販売する業者が後を絶たないんです」(前出・ライター)
日本とは販売の実情が異なるようだが、国が違っても需要だけはあるようで…。