韓国政情不安で「観光客離れ」タイでは以前から始まっていた“嫌韓”の追い打ち

 尹錫悦大統領が「非常戒厳」を発令したものの、すぐに鎮静化。今度は大統領への弾劾が可決されるという政情不安にある韓国。あらゆるところに影響が出ているが、インバウンドもその一つだ。

「日本からの修学旅行の断念、サウジアラビアの王子一行の訪韓も取り止めになりました。また、報道では日本人の約7割が韓国の現状に懸念を示し、中国人観光客が19%減少の見込みとの数字さえ出ています。慌てたソウル市長は12月11日、わざわざ英語、中国語、日本語で『ソウルは安全』と呼びかけましたが、戒厳令があまりに突然だったことを考えても、安全の根拠などどこにもありませんよね」(全国紙記者)

 一方、政情が不安定化する前から「嫌韓」に転じていた国もあった。タイである。

「韓国では2021年9月から、韓国への渡航の際に必要な電子渡航認証制度(K-ETA)の運用を開始。入国前にオンラインで必要事項を入力しておけば入国許可が受けられる制度で、日本などは免除されている。対しタイは義務付けられているのですが、K-ETAを取得していたにもかかわらず入国を拒否されたというケースが多発。どうやら韓国でのタイ人の不法滞在対策だったようですが、これによりタイでは嫌韓ムードが広がり、23年は1万人の旅行キャンセルがあったことが判明しています」(同)

 もともとタイの韓国熱はK-POPをはじめとする芸能コンテンツへの人気の高まりにあったので、観光とコンテンツ・ビジネスの共倒れも心配される。

(猫間滋)

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