「大阪王将」は、「食べる つながる めし文化」を謳い、局地的めしを「国宝級お宝めし」として期間限定で提供する新たなキャンペーンをスタート。新規顧客の開拓を狙うが、ネット上ではいまだに厳しい声も少なくない。
同キャンペーンの第1弾として大阪王将では10月13日から肉野菜炒めで玉子炒飯を覆った「始まりの肉チャーハン」の販売を開始。このメニューは静岡県東伊豆の稲取地区周辺で愛されている「稲取肉チャーハン」を大阪王将流にアレンジしたものだ。
今年春から夏にかけて実施された「絶滅危惧めし」に続く新キャンペーンということで、ネット上には《伊豆の稲取の肉チャーハン好きだからこれは食べに行きたい!》《ルースー炒飯の源流とのこと、これは美味いわ》と期待値が高く、また食べた人からも《もう見て想像した通りのウマサ。豚肉がなかなかの厚切りで食べ応えも十分》《ガッツリ食べられて大満足です》《見た目はメニューほどインパクトないけど十分肉肉しくてキャベツも美味しかった》と好評のようだ。
ただ一方で、《食べごたえありそうだし、味も濃そうだし、個人的には絶対好きなやつだけど、大阪王将と聞くと例の事件が思い出されてしまう》《衛生管理なんかは店舗によって違うのは分かってはいるんだけど、まだあのショックからは抜けられない》といった声も少なくない。
「今年7月、大阪王将仙台中田店の元従業員が、厨房でナメクジが大量発生していることや洗濯機からゴキブリが這い出てくること、野良猫を店で飼育していたことなどが次々と告発され、閉店に追い込まれる騒動が起きています。3カ月経っても人々の中に負のイメージが残っていることは否めませんが、逆にあの騒動によって大阪王将は衛生管理がより厳重になったともいえるでしょう。ただでさえ同チェーンは、10月から主力商品である『元祖餃子』を値上げし、人気の冷凍ギョーザも今年6月に続き再値上げが囁かれるなど値上げラッシュによる客離れが心配されています。今回の『始まりの肉チャーハン』がそれらを払拭するほどヒットする商品になればいいのですが‥‥」(フードジャーナリスト)
同社が12日に発表した23年2月期第2四半期(22年3月〜8月)決算では前年同期比で増収増益とナメクジ問題の影響も見られなかったが、果たして。
(小林洋三)