「国会議員の一番ダメなところ」橋下徹氏が活動費のデジタル化を提案した理由

 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(53)が10月8日放送の「今田耕司のネタバレMTG」(読売テレビ)に出演。来春4月から解禁される「給与のデジタル払い」について解説する中で、かつて世間を騒がせた国会の「文書通信交通滞在費」問題を振り返り、議員活動費のデジタル化を提案した。

 番組では、厚生労働省が来春4月から「給与デジタル払い」を解禁する方針を発表したことを取り上げた。これにより企業は銀行口座を介さず、スマホ決済アプリや電子マネーに給与を直接振り込む事ができ、手数料の軽減などのメリットが期待されている。一方で、セキュリティ面や保証問題が課題とされている。一概に「スマホ決済アプリ」と言っても、債務保証や損失補償の仕組みの確保や、ATMなどを利用してデジタルマネーを1円単位で受け取れることなど、一定の条件をクリアした業者に限られることも決定済み。これを橋下氏は「銀行に近いような形にしておいて、いろんな民間事業者に参入させる」と解説した。

 「デジタル払い」の一長一短を解説した上で橋下氏は「これを進めていく大きな効果は、脱税というかね。税については非常にクリアになる」とし、90%以上キャッシュレス化が進む韓国では、税の徴収漏れが少ないことを例にあげた。その上で「日本はやっぱり現金が多いんですよ、世界の中で一番現金使ってる国ですから。サラリーマン以外のところは税をちゃんと収めてるかどうかって、これはもう前から言われていたところですよ、これはクリアになると思います」と、税の徴収漏れが減るメリットをあげた。

 さらに「キャッシュレス化」について橋下氏は「でも一番使わなきゃいけないのは国会議員なんですよ」と断言。その理由について「『文書通信交通滞在費』『調査研究広報滞在費』、月額100万円のキャッシュが机に置かれてたっていうね…。領収書抜きで使い放題ですから。で、彼らはみんな『ちゃんと使ってる』って言うんですけど、領収書公開しないんですよ。キャッシュレスにしたら全部記録出るでしょ」と、活動費の使い道を明確にするためにもキャッシュレス化を提案。

 これにMCの今田耕司が「でも、そういう人たちが止めるってこと無いんですか? 『そんなもん、オールキャッシュレス化これ以上進んだら、ワシらの“アレ”も全部…』って」と、邪推。橋下氏はそれに乗っかるように「社会をデジタル化しようって、国会議員みんな言ってるんですよ、Web3だなんだって言ってるのに、自分のところの『調査研究広報滞在費』についてキャッシュレスって誰も言わないんです、国会議員、そこだけ。だからさっきの脱税の話と同じように、自分らのところはそれをやってしまうと全部見えてしまう。これ国会議員ね、ほんと言わないのズルい。日本の国会議員の一番ダメなところ。自分のところだけは守るっていう」と、非難した。
 
 橋下氏の言うように、活動費のキャッシュレス化が実現する日はくるのだろうか。

(浜野ふみ)

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