「とくダネ!」(フジテレビ系)キャスターの小倉智昭が、報道番組の姿勢に苦言を呈した。
7月4日の放送では序盤にて、15分にわたるVTRで九州を中心とした豪雨被害について特集。そのVTRが終わってのスタジオトークで突如、前日3日夜の報道番組を批判し始めたのである。
小倉は「昨日の夜、避難勧告、避難指示が出て百数十万人が避難しなければいけないって話の時に、ニュースを見てもあまりこの九州のニュースをやってなくて。党首討論みたいなことを…」と苦言。ここで伊藤利尋アナが「そちらもね、大きいという判断だったと思うんですけど」と口を挟むも、小倉は「大きいけれど、でもどうなんだろう? 緊急事態だと思うんです、九州や四国の一部の人にとっては」と続け、報道番組の姿勢に対して疑問を呈していた。
たしかに小倉の疑問はもっともかもしれないが、実はこの発言、一部の局のみが対象になっているというのだ。テレビ誌のライターがささやく。
「3日の夜に党首討論を実施したのは『NEWS23』(TBS系)と『報道ステーション』(テレビ朝日系)の2番組のみ。『news zero』(日本テレビ系)では冒頭で有働アナが豪雨報道のために党首討論の放送は延期すると説明していましたし、『Live News α』(フジテレビ系)と『ニュースきょう一日』(NHK)ではそもそも党首討論を行っていませんでした。つまり小倉の苦言は、TBSとテレビ朝日を狙い撃ちしたものとなっていたのです」
テレビ業界ではよっぽどの不祥事でもない限り、他局批判はご法度というのが業界の慣例だ。しかも今回の場合、自局のフジテレビは苦言の対象になっていないのだから、小倉はいわゆる“安全なところから石を投げる”形だったのだ。
その小倉はフリーアナではあるものの、20年にわたって「とくダネ!」のキャスターを務めており、世間には<フジテレビの朝の顔> として認知している視聴者も多いはずだ。その立場での他局批判には、「とくダネ!」の制作陣も頭を抱えているのかもしれない。