世界ランキング10位からジャイアントキリングを連発して、歴史的快挙となる銀メダルを獲得した女子バスケットボールも、この機を逃す手はないとメディア出演を増やしている。民放局ディレクターが語る。
「エース格でガーナ出身の両親を持つ馬瓜エブリン(27)のバラエティー力が光っています。頭の回転が速く、『ダウンタウン』の浜田雅功をはじめ大御所たちからイジられるポジションを確立しつつある。ところが、日本バスケットボール協会としては、選手個人が目立つことには少々後ろ向きなんです。むしろ、『アカツキファイブ』、もとい『アカツキジャパン』という総称を広めることに熱を入れているようです。いくら改名を重ねても世間に浸透する気配はありませんが‥‥」
そんな女子バスケ界にはプロアマが混在する「Wリーグ」という実業団トップリーグがある。東京五輪の大躍進も相まって盛況ぶりに期待がかかるところだが、
「4月のプレーオフ決勝こそ代々木体育館に7000人以上のファンが集まりましたが、レギュラーシーズンは依然として空席が目立つばかりかガラガラな試合もあります。このまま一過性のブームで終わってしまえば、女子サッカー界の二の舞いですよ」(スポーツ紙デスク)
11年ドイツワールドカップ優勝、翌12年ロンドン五輪で銀メダルを手にした栄光も今は昔。東京五輪では準々決勝で敗退した「なでしこジャパン」。名実ともに右肩下がりの状況を打破するために、昨秋から「WEリーグ」なるプロリーグを発足させた。
「各クラブが5名以上契約するA契約選手で年俸460万円以上、その下のB契約C契約で270万円〜460万円以下と規定されている。代表クラスの選手がスーパーのレジ打ちをしていた頃よりはずっと改革が進みました。とはいえ、観客動員数は1000〜3000人前後を推移。対戦カードによっては1000人を切るのもザラ。まだまだ波に乗り切れていません」(スポーツ紙デスク)
同様に閑古鳥に頭を悩ますのが金メダルを獲得したソフトボール界だ。22年3月に開幕した「JDリーグ」は苦境に立たされている。スポーツライターが明かす。
「プロ野球と違って地方球場が主戦場となるため、観客数は2000人弱を集めるので精いっぱい。3月28日に『ZOZOマリン』で行われた『ビックカメラ高崎』と『トヨタ自動車』の開幕戦で約6500人を動員できたのも『企業とスポンサー関係者で水増しできたからだ』と揶揄する声すら聞こえてきました。家具量販店大手『ニトリ』を含む8社がスポンサーになり、前身の日本リーグに比べて3倍の事業規模になりましたが、先の見通しは決して明るくありません」
不人気スポーツ特有のジレンマも抱えており、
「意外にも、レジェンドの上野由岐子(40)が世代交代を阻んでいる。バリバリの現役で、次期エース候補の後藤希友(21)にバトンを繋いでもらいたいところですが、ソフトボールの復活が検討されている28年のロサンゼルス五輪にも出場する気でいる。もう6〜7年はソフト=上野が看板では新鮮味は皆無。後藤や切石結女(22)ら華のある新世代のスター候補を前面に出さないうちは、リーグを一新しようが低空飛行ぶりに変わりはないでしょう」(民放局ディレクター)
金メダルを超える新スターの誕生はいつになるのか。
*「週刊アサヒ芸能」9月8日号掲載